Beijing Motor Show 2016
 昔、中国と言えば自転車でした。オシャレなスポーツサイクルでもないなんでもないチャリンコが何百台と雑然と太い国道を駆け抜けていく...そんな国でした。しかし小沢はここに断言しましょう。今後何年かすれば、この国はSUV超大国になる! それも異様に目ヂカラがこもった独特"デカ顔SUV超大国"になる!! と。

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 当てずっぽじゃありません。2年に1回行われる中国首都モータショー、つまり今年の北京オートチャイナ2016で私は確信したんです。あまりの専用SUVの多さにビックリ! この国の自動車デザインはますますオリジナル化すると。

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 実際、貴方、去年2015年に中国でクルマが何台売れたか知ってます? 中国汽車工業協会の発表によると通年で2459.76万台、つまり2460万台ですよ。コレはかつての自動車大国北米の年間1700万台を越え、日本の500万台を合わせても追いつかない数字。つまりブッチギリの世界一なんです。

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 それがどういう自体を招くかというとアイテムの専用化です。中身はさほど変えなくていいから"専用デザイン化"と言ってもいい。要するに先日不調に陥った三菱自動車でさえ、年間100万台で一応会社が回っていたわけだから、2460万台となると中国専用デザインだけでもオツリがくる。もっとかみ砕くと1モデル年間20万台も売れれば大ヒットと言われるわけだから、本当に「中国&外国人の、中国&外国人による、中国人のためのクルマ」がドンドン現地を出回ることになる。これは物凄いことなわけですよ。

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 各論行きましょう。この「俺さ、中国専用のカッコいいSUV欲しいずら〜」の声に、最近応えまくってる我が日本ブランド。まず今年はこれまでヨーロッパ大好き、ドイツ車大好きを公言していたマツダ。初のセクシー系ミッドサイズSUV、CX-4を今回北京でワールドプレミア。

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 デザインコンセプトの「超KOERU」はドイツで発表したけど実売は中国。しかも発売は世界で一番早く、その上いきなり本気の現地生産。不器用なマツダさんも随分、世界の流れを機敏に見るようになりました。

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 お次は最近インドやアセアンで波に乗るホンダ。こちらも一昨年あたりから新型専用コンセプトを中国ショーで連発させてましたけど、いよいよ現実化。それも2ブランド攻撃してまして、ホンダブランドからはアヴァンシア、アキュラからはCDXを出しており、どちらもやっぱりSUV。中身はナンパな乗用車ベースのクルマですけどね(笑)

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 どちらも注目はデザイン。アヴァンシアは日本にはないデコっぱちマスクやセクシーフェンダーが印象的。最近、流麗路線が幅を効かす欧州クロスオーバーとは一線を画します。ぶっちゃけ"漢"ですね。
 かたやCDXは一見コンパクトSUVとは思えない派手マスク。フロントの逆5角形グリルとそれにマッチしたイカついライトが印象的で、正直エレガントとは言い難い。売れ行きにもよるがウケたらますます中国はイカツイ顔SUVが流行ることなるんでしょう。

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 それから日本にはあまり知られてないですが、今や本社を香港に移し、遂に「アジアンプレミアム」となったインフィニティ。非常に上手な作戦で、最近中国に取り込まれつつある香港といえ、数年前までイギリスカルチャーで覆われていた"半中半欧アイランド"。これで反日ムードも関係ありません。

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 今回はこれまたSUVコンセプトの「QXスポーツインスピレーション」を発表。独特の艶めかしいセクシーラインが相変わらずですけど、顔はやっぱりド派手。自慢の巨大オーバルグリルに、鋭い目とエグレたエラが特徴でコッチも押しの強さじゃ負けてません。

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 一方、中国最大の巨人、Volkswagenも侮れない。去年は落ちたとはいえ、年間354万8600台! 1000万台メーカーの分の1を占める完全なる屋台骨で、例のスキャンダルに対する過敏な反応もコチラでは見られてませんから。

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 もちろんコチラも攻めで、大型SUVの『T-プライム コンセプト GTE』をワールドプレミア。今年日本上陸予定の新型『ティグアン』を大きくしてエッジを立たせたようなデザインで、しかも中身はプラグイン・ハイブリッド。システム最大出力381ps、最大トルク71.4kgmの巨大パワーで駆動方式はフルタイム4WDというかなりのパフォーマンスで、欧州複合モードで約50kmのEV走行が可能。コイツが中国専用デザインとはちと思えない感じですが、力入ってます。

●セダンはとっくに中国専用満開!
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 一方、中国筆頭ブランドVWはSUVだけじゃないんですね。定番中の定番高級セダン、一汽VW「マゴタン」、上海VW「フィデオン」のニューモデルを発表。ええ? ずいぶん似てるじゃん! などと言うなかれ。似てるのは当たり前で、というのも中国自動車産業は地元との合弁がマストで、それも大抵2社と組まされてますから、VWも第一汽車と組んだ「一汽VW」と上海汽車と組んだ「上海VW」があるわけです。しかも第1婦人、第2婦人の如く、両社に分け隔てはイケマセンからどちらも同じようなアイテムを取り揃えなくてはいけない。結果生まれたのが現行パサートをベースに、全長を5m強と拡大させたマゴタン&フィデオンの兄弟車で、コイツがどちらも質感バッチリ! 価格も抑えめで間違いなく売れますなコレ。

●EV偏重政策の中で、一人気を吐くトヨタハイブリッド!!
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という具合に中国ハデ目SUV化を追ってきた小沢ですけど、こちらでも無視できないのがエコカー市場。ご存じ冬になるともたげるPM2.5問題があり、エネルギー輸入を抑えたい中国政府が躍起になっているのが"新エネルギー車"ことEV、PHVなどエコカーの普及なんです。地元最大電池メーカーの「BYD」や、「BYD」と組んだメルセデス・ベンツも頑張ってますけど、独自路線でリクエストに応えているのが実はトヨタ。T社はカンペキに我が道行く路線で、SUVにはほぼ目もくれずに伝統のハイブリッド一本勝負だから面白い。

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 一時期「技術流出は大丈夫か?」と騒がれた、地元開発の初のオール中国産ハイブリッドセダン、「カローラハイブリッド&レビンハイブリッド」を去年10月に発売! ソイツが今春まで約4万台と好調受注でコイツのなにが凄いって補助金が全然出てないこと。
 実は中国政府が大規模補助金を出してるのはピュアEVやプラグイン・ハイブリッドの巨大電池系のみで、普通のハイブリッドに対するエコカー補助金めいたものはまるでない。出しても日本ブランド有利ですしね。しかし、根性のトヨタは技術流出覚悟で地元生産で安く、ほとんど1.8リッターガソリン車並みの価格で提供。地道に普及させてるわけで、果たしてこの誠意が中国政府に通じるといいんですけどね。
これはホンダも同様で、今回遂にトヨタ同様に中国産化した初のホンダ流ハイブリッド、それもハイテクのツインモーター式の「アコード・ハイブリッド」を発表。一体値段がどれくらい抑えられるかですけど、ついでに顔とお尻も環境にあわせて微妙にエグくなってます。

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 さらに日産は、初代以来日本で売ってなかったゴルフクラスのコンパクトハッチ、「ティーダ」の3代目モデルを発表。コイツが欧州版パルサーをベースに、中国向けに"ハデ顔"にしてなっててエグイんですわ。

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 一方、2011年に日産傘下の自主ブランドとして登場した「ヴェヌーシア」は完全オリジナルSUVの「T90」を開発。コイツの顔が割とスマートで、スタイリッシュだから不思議です。

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 もう一つ最後に言うと、不正燃費で渦中の三菱は日本名「RVR」の新型モデル「ASX」を発表。コチラも注目は新世代のダイナミックシールドデザインで見れば分かる通りに押し出しは強し。と言っても他に比べればジミかもしれません。

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 とにかく今後ハデで他にない押しの強いSUVばかりが出回る中国。突然、出張で行くことになっても驚かないようにね(笑)。

■ホンダ 公式サイト
http://www.honda.co.jp
■トヨタ 公式サイト
http://toyota.jp
■日産 公式サイト
http://www.nissan.co.jp