2016 39th Suzuka 8 Hours
バイクの真夏の祭典「"コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8時間耐久ロードレース第39回大会」にて、昨年に続き、ファクトリー体制で参戦した「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」が218周という、レース最多周回を記録(二輪シケインが新設されたコース変更後)し、見事優勝を果たした。ヤマハファクトリーチームとして通算優勝回数は6回目、連覇は1987-1988年以来28年ぶりとなった。

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最高気温は32度、最高路面温度が59度にもあがり、開始3時間後には転倒が25台という、過酷なサバイバル状態となった今年の「8耐」。

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午前11時半、ライダーがバイクに駆け寄りスタートする、ル・マン式にてスタート。最高のスタートダッシュを見せて飛び出したのは、「Team KAGAYAMA(SUZUKI GSX-R1000)」の清成龍一選手。

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その後を、「ヨシムラスズキShell ADVANCE(SUZUKI GSX-R1000)」の津田拓也、ポールポジションスタートの「YAMAHA FACTORY RACING TEAM(YAMAHA YZF-R1M)」の中須賀克行が続いた。

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スタートから6分後、好スタートを見せ先頭グループを走っていた、優勝候補の一角である「F.C.C. TSR Honda(HONDA CBR1000RR)」のドミニク・エガーターがまさかの転倒。直ぐに再スタートが切れたものの、サイレンサーがものすごい角度で曲がってしまうなど、マシンのダメージが大きくピットイン。修復作業に20分かかり大幅に後退してしまう。

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17周目で「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の中須賀が清成を交わしてトップに浮上。そのまま第2ライダーのアレックス・ローズと交代し、なんと2時間後には、6位以下を全てラップダウンしてしまうという、驚異的な走りを見せた。

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第3ライダーはMotoGPライダーのポル・エスパルガロ。昨年に続き、トップテントライアルにてポールポジションタイムをたたき出し、ライダーとしての格の違いを見せつけた走りは、まるでそこだけ時間の流れが違うかのような速さ。周回遅れのライダーをものともせず、クリーンにすいすいラップしていく様は、まさしく異次元空間を漂っているかのよう。誰よりも深いバンク角に勢いのある派手なライディングスタイル。耐久だけど、スプリントレース。という「鈴鹿8耐」という面白さを、より盛り上げてくれていた。

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もうひとつの今回の注目チーム「MuSASHi RT HARC-PRO.(HONDA CBR1000RR)」。現在FIMスーパーバイク世界選手権(SBK)で活躍中の、2006年度のMotoGPチャンピオンのニッキー・ヘイデンと、マイケル・ファン・デル・マークを招集し、リタイアに終わってしまった昨年のリベンジを果たすべき、2年ぶりの優勝を目指して参戦した。

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全日本で活躍する高橋巧がスタートから怒濤の追い上げを見せ、3番手に浮上し第2ライダーのマイケル・ファン・デル・マークに交代。2位を走行中だった「Team KAGAYAMA」が、バイクスタンドが外れないというジャッキのトラブルによりタイムロスし、マイケル・ファン・デル・マークが2位に浮上。そしてそのまま第3ライダーのニッキー・ヘイデンに交代し、好調な走りを見せているさなか...。
約3時間が経過するという、75周目に突入したところ、まさかのマシントラブルが発生。

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バイクをピットに戻そうと、コースサイドでバイクを押すニッキーの姿を見て、肩をがっくりと落とした人は少なくないだろう。マーシャルの軽トラックにトランポされてドナドナされるニッキー。そのシュールで珍しい風景を見られるのは8耐ならでは...、なのだが、できれば見たくなかった光景だ。バイクがピットに戻るやいなや、修復作業を試みるも、リタイア届けが提出され、今年も「MuSASHi RT HARC-PRO.」の完走はならなかった。
ニッキー・ヘイデンの参戦は2回目となるのだが、前回の参戦は13年前。その時も出走して1周目で転倒リタイアという結果に終わっている。何周か多くは走れたが、今度はエンジントラブルによるリタイア。昨年のケーシー・ストーナーの参戦時に続き、注目ライダーの走行中にトラブルが起こるとは...、なんともはや。
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ニッキーは、来年のリベンジを誓っている。

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昨年は6回もセーフティカーが入る波乱の展開となったが、今年は一度も入ることなく、最多周回数記録が塗り替えられる期待も。そんな周囲の期待に答えつつ、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」は、105周目には2位との差を1分40秒前後の大差を付けて、安定感のある走りを見せ、17周目にトップに立ってから、どのチームにもその座を譲ることなく8時間というレースを完璧に支配しながら走りきった。

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まさしく"チーム力"。YZF-R1Mというマシンの戦闘力の高さにも目を見張るモノがあったが、それ以前に、吉川監督始め3選手、さらには開発陣全てチームが一丸となって、マジ(本気)で挑んできたこの姿勢が、2連覇の要因のひとつだったのではないだろうか。この団結力の高さは他のチームから伝わってくる雰囲気と、レベルが違う、というか、ベクトルの方向が全く異なっているように感じられたのだ。

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ポル・エスパルガロ選手、アレックス・ローズ選手共に中須賀選手に尊敬の念を表しつつ、「人生で最高の瞬間!」と表彰台で語っていたのが印象的だった。

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2位には、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」と同一の218周を記録した、参戦3年目にして初の表初台を獲得した「Team GREEN(KAWASAKI ZX-10R)」。

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3位には、「ヨシムラスズキShell ADVANCE」という結果になった。

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この2つのチームの2位を争うバトルが、後半の見所のひとつでもあった。「ヨシムラスズキShell ADVANCE」の芳賀紀行と「Team GREEN」のレオン・ハスラムが、周回遅れのライダーを流れるようにバスしながら、抜き着抜かれるシーンに圧巻。世界を戦ってきた男たちが見せる走りには、熱いモノがある。

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世界トップクラスのライダーたちが、クラスやレースのカテゴリーを超えて競い合う姿が見られるのが「8耐」の醍醐味。

2016 39th Suzuka 8 Hours
来年は各チームどんな体制で挑んでくるのか、新型モデルの噂(?) もあり、今から楽しみでしかたがない。年々盛り上がりを見せる、バイク乗りにおける日本の夏の風物詩「鈴鹿8時間耐久レース」。

2016 39th Suzuka 8 Hours 2016 39th Suzuka 8 Hours
4日間通しての観客動員数が12万4000人と、前年度を上回る人が足を運んだ夏の祭典。

2016 39th Suzuka 8 Hours
来年は第40回という節目になると同時に、世界耐久選手権シリーズの最終戦になることが決定している。一度は現地でその"熱さ"を体験してみて欲しい。

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また、8耐に参戦するマシンは、ヤマハ、カワサキ、スズキ、ホンダという日本メーカーだけでなく、BMWのS1000RR、DUCATIのPANIGALE R、KTMのRC8R、さらにはAPRILIAのRSV4といった、メーカーのマシンで参戦しているチームもある。自分の乗っているマシンが活躍する姿を応援すると言うのもひとつの楽しみ方。ギャラリーにてお楽しみ頂きたい。

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優勝「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」のコメント
●中須賀克行選手
1スティント目は、前を行く清成選手のことはあえて抜かずについて行きました。去年よりも燃費が良くなっているので、燃費を稼ぐ理由ではなく、ポルとアレックスが速いので、ここで無理することはないと判断したからです。それと、ウイークを通して今日が一番暑くて、テストとはマシンが違うフィーリングだったので、少し抑えて走っていたのも事実です。連覇を達成できたことは本当にうれしいし、最高のライダーに恵まれました。応援、ありがとうございました。
●ポル・エスパルガロ選手
ドウモアリガトウ。すごくすごくうれしいよ! 僕、ナカスガさん、アレックスの3人はテストから一生懸命に仕事をして、3人ともにベストなマシンセッティングを見つけることができた。こんなすばらしいレースに参戦する機会を授けてくれたヤマハ、そしてYAMAHA FACTORY RACING TEAMをサポートしてくれたたくさんの人々に心から感謝したい。この勝利は僕たち3人のライダーだけで成し遂げたものじゃない。たくさんのメカニック、スタッフ、チームのために働いてくれたすべての人々に心からお礼を言いたい。──今は言葉にできないほどの気持ちだよ!
●アレックス・ローズ選手
鈴鹿8耐での初勝利、本当にうれしいよ! 今日は、僕にとって最高の一日になったし、レースウィークを通して、すべてがすばらしい経験だった。普段参戦しているスーパーバイク世界選手権とは違っていてはじめての経験をたくさん重ねることができたし、ナカスガさん、ポルとはコースでも、コース以外でも、仲よく過ごすことができてすごく楽しかったよ。彼らのサポートのおかげで、僕自身もいいライディングができたと思う。優勝という結果には本当に満足している。YAMAHA FACTORY RACING TEAMのみんな、チームを支えてくれた皆さんには心から感謝したい。そして、来年もぜひまた参戦したい。アリガトウゴザイマシタ!
●吉川和多留監督
1年間、この鈴鹿8耐で勝つためにいろいろな準備を進めてきました。そして今日は、事前に計画した通りにレースを進めることができ、そして連覇することができました。セーフティカーが入らず、雨が降ることもなく、8時間休むことのない戦いになりましたが、218周の走破は新コースになっての最多周回数記録ということで、とても満足しています。今回は、耐久レースらしい計画通りの戦いを、ライダーはもちろんチームスタッフが一丸となって達成してくれました。応援していただいたファンやスタッフのみなさんには感謝しています。本当にありがとうございました。


■"コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8時間耐久ロードレース公式サイト
http://www.suzukacircuit.jp/8tai/
■ヤマハ発動機 鈴鹿8耐スペシャルサイト
http://race.yamaha-motor.co.jp/sp/suzuka8h/
■ヤマハ発動機 公式サイト
http://www.yamaha-motor.co.jp
■カワサキ 公式サイト
https://www.kawasaki-motors.com/mc/
■スズキ 公式サイト
http://www1.suzuki.co.jp/motor/
■ホンダ 公式サイト
http://www.honda.co.jp/motor/
■Ducati 公式サイト
http://www.ducati.co.jp/
■BMW Motorrad 公式サイト
http://www.bmw-motorrad.jp/
■KTM 公式サイト

http://www.ktm-japan.co.jp