これぞ真のオンボロ車! サンフランシスコの解体工場で見つけた、91年型ポンティアック「グランダム」
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筆者は廃車置場めぐりにかなりの時間を費やしてきた。本当かなり時間だ。その経験から、"真のオンボロ車"というものを見分ける術を学んだ。それは最後のオーナーが、そのクルマの価値が廃棄物同然になるまで、使い切ったかどうかによる。この1991年型ポンティアック「グランダム」は、つい最近サンフランシスコのベイエリアにあるセルフサービスの解体工場で見つけたものだ。3代目グランダムの最後のモデイルイヤーに当たるクルマで、オンボロ車と呼ばれるに相応しい全ての条件を満たしている。


まず注目すべきは、粗末で人気のないゼネラルモーターズ製「アイアン・デューク」エンジンが搭載されていることだ。ガタガタ、キシキシと不快な音をたてるこの2.5リッター直列4気筒エンジンには、米国自動車産業における"Malaise Era(沈滞の時代)"の中でもどん底の時期に製造されていたポンティアックの301立方インチ(約4.9リッター)V8エンジンの既製パーツが流用されている。購入者がエンジンのことなど気にもかけないようなクルマに使われていたのだ。


塗装の大部分は、25年間もカリフォルニアの灼熱の太陽にさらされて剥げ落ちている一方で、湿気の多い日陰に長いこと置かれていたらしく、コケがあちこちに生えている。


ボディのあちこちに帽子を被った骸骨が描かれており、さらにボンネットには怪しげな酒をがぶ飲みする骸骨の絵。これでもう、クルマとしての価値はなくなった!


それでも、このクルマに愛情を感じた誰かが「Good Ol' Snakey」と名付け、その名をトランクリッドに書き入れた。思うに、アイアン・デュークはこの時期にはもうガタが来ていて、いつも後ろからヘビのような青い煙を出しながら走っていたのだろう。


安っぽくて、醜くて、厄介者で、機能性のかけらもないこのグランダムこそ、まさしく真のオンボロ車だ。きっと数カ月以内に潰され、細かく裂かれてオークランド港から出荷され、中国で冷蔵庫や吉利(ジーリー)「エムグランド」として生まれ変わるのだろう。しかし、北カリフォルニアのどこかには、愛情を持ってこのクルマのことを思い出す人が何人かはいるはずだ。


By Murilee Martin
翻訳:日本映像翻訳アカデミー