米国のジャンクヤードで発見した、ダウンサイジング・エンジンを搭載する1979年型ビュイック「エレクトラ リミテッド」
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1973年秋、アラブ石油輸出国機構(OAPEC)が親イスラエル諸国へ石油の輸出を禁止し、デトロイトは"陸のヨット"と言われたフルサイズ車を小型化するのに大忙しとなった。1977年モデルイヤーとして用意された、ダウンサイジングした第5世代のビュイック「エレクトラ」は、1979年に起こったイラン革命に端を発する"黒い液体"のさらなる供給危機にちょうど間に合う形で発売された。前年型と比べ、全長は270mmも短くなっている(けれどまだ5,641mmもあった)。今となっては、1977年から1985年モデルイヤーまで販売された第5世代モデルを目にすることはあまりないが、筆者は先日、米国コロラド州デンバーのとあるセルフサービスのジャンクヤードで、色あせているとは言え素晴らしい79年型「エレクトラ リミテッド」セダンを発見した。



当時ゼネラルモーターズ(GM)は、ブルーのベロア張りシートを世界中に供給していたと思われる。その証拠に、この後10年ほどの間に製造されたGM車は、ほぼすべて上のようなベロアが内装に使われているはずだ。



GMはすでにこの頃から、各ブランドのエンジンを別のブランドで販売するモデルにも使い始めるようになっていた。これにより、シボレー製V型8気筒「350」エンジンを搭載したオールズモビル「88」や、ビュイック製V型6気筒「231」エンジンを載せたシボレー「モンザ」などを購入できたわけだが、今回ご紹介しているエレクトラには、オールズモビル製V型8気筒「350」エンジンが積まれていた。さて、車両重量約1,700kgほどのクルマに対し、このエンジンはどれくらいの馬力を与えていたかご存じだろうか?


5.7リッターもの排気量から発生する最高出力は、わずか155hp。米国の自動車業界は、1973年から1983年にかけて「マレイズ(低迷)の時代」を迎えていたと言われるが、実に大変な時代だったのだ。


By Murilee Martin
翻訳:日本映像翻訳アカデミー