廃車置場で見つけた宝石、クレージーな1992年型スバルSVX
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スバルの最近の業績は上々だ。それは、悪状況の路面にも対応できる実用的なクルマと、ラリーカーのイメージを受け継ぐパフォーマンスカーをうまく組み合わせた販売戦略が功を奏しているからだろう。だが、その歴史を四半世紀ほど遡ると、六連星(プレアデス星団)のエンブレムをつけたクルマの多くは、むしろ未来的な戦闘機スタイルのコクピットや、珍奇な装備で知られていた。この哲学の骨頂とも言えるのが、1991年から1996年まで製造された、華やかで風変わりな外観のスバル「アルシオーネSVX」だ。筆者は先日、米国コロラド州デンバーにあるセルフサービス式のジャンクヤードで、保存状態の良好なパープルの個体を発見した。



何と言ってもこのサイドガラスを見ていただきたい。このクルマのデザインを愛さずにはいられない理由がお分かりいただけるだろう。SVXのエクステリア・デザインを手掛けたのは、カーデザインの巨匠、ジョルジェット・ジウジアーロ氏だ。


SVXには、スバルの市販車では当時最大の排気量3.3リッター4カム水平対向6気筒エンジンが搭載されており、240psという最高出力は90年代初頭としては尊敬に値する数字であった。


残念ながら、スバルにはこのエンジンに対応できるマニュアル・トランスミッションがなかったため、SVXは全車4速オートマティック仕様のみであった。それだけでもMTより楽しくないのに、さらにこのATはSVX専用に開発されたEG33型エンジンの出力を上手く引き出せなかったのだ。このため、廃車置場で見つけられるSVXはどれもそれほど悪くない状態だ。問題なく走行可能で、比較的きれいな状態の物には良い値段が付くが、トラスミッションが壊れていたりすればその価値はスクラップとして重さ次第となる。

米国では単に「SVX」と呼ばれるこの2ドア・クーペは、5年余りの間に2万4,000台程が生産され、その6割近くが米国で販売された。


By Murilee Martin
翻訳:日本映像翻訳アカデミー