【ビデオ】クルマの運転が禁じられているサウジアラビアの女性たちにとって、遊園地のバンパーカーが運転できる唯一の場所
米国のビジネス紙『The Wall Street Journal』に先日、サウジアラビアの女性たちがクルマを運転できる唯一の場所についての記事が掲載された。遊園地のことだ。バンパーカー(電動の小さなクルマをぶつけ合って遊ぶ施設)に乗るという我々にとっては退屈な遊びが、実はサウジアラビアの女性にとっては本当に胸が躍る時間になる。なぜなら、彼女たちは本物の自動車を運転することが禁じられているからだ。

遊園地が女性限定となる夜には、小さなステージの周りとはいえクルマで自由に走り回れる5分間の体験を求めて、女性たちが列を成す。しかし、遊園地でバンパーカーを運転するという行為は、単にクルマの運転でスリルを味わえるということにとどまらない。サマ・ビン・マフーズさんは外国へ留学する前、運転を練習するために遊園地へ行っていたという。

「サウジアラビアでは運転するチャンスがないので、遊園地が練習の場なのです。親友が私のクルマに当ててくる度に、『やめて、運転させてよ!』と叫んでいました」と、ビン・マフーズさんは同紙に語っている。

女性限定の夜は、彼女たちがリラックスできる機会にもなっている。スタッフも全員女性となるので、サウジアラビアの厳しい服装規定に従わなくてもいいのだ。男女とも入園できる夜にも女性はバンパーカーに乗れるものの、その際はアバヤという衣服で全身を覆わなければならない。男性がバンパーカーを運転する時には、他の国で見られる光景と同様、他のクルマと激しくぶつけ合う。しかし、女性の番になると周囲に幕が掲げられ、彼女たちは礼儀正しい運転でステージの上を回り始める。

サウジアラビアは世界で唯一、女性が自動車の運転を禁じられている国だ。女性たちは何年にもわたり変革を訴えているが、成果は限られたものにとどまっている。2014年には、アラブ首長国連邦から自動車を運転した2人の活動家が、サウジアラビアの国境で「女性でありながら運転した」という罪に問われ、25日間拘留されている。女性の運転禁止は議論を呼んでいるものの、その主張は実際上の不便さを理由としたものだ。サウジアラビアでは女性の労働人口が増えているし、また多くの家庭ではドライバーを雇う余裕などないからだ。




By Erin Marquis
翻訳:日本映像翻訳アカデミー