Auto Expo in New Dehli 2016
●インドの本質は"反日のない中国"なのだっ!

Auto Expo in New Dehli 2016 Auto Expo in New Dehli 2016
栄えある初のインド車、問題作バレーノが上陸した日本。ついでに小沢が新春見て来たデリーオートエキスポ2016での激辛日本車バトルを独断と偏見で紹介しちゃいましょう。

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かつて注目された有力新興国BRICsの中で唯一伸びてると言われるインド。そりゃそうだ。ブラジルやロシアは今や経済危機だし、中国は経済成長7%前後とか言ってるけど例の上海ショックですっかりバブル崩壊! だとも。

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一方、インドは順調に伸びてて自動車販売も数年前に少し落ちたけど、再び伸びて今や年間350万台。2020年には450万台の政府目標を掲げていて、それくらい順調なのだ。
最大のポイントは「世界最大の民主主義国」とも言われる規模と体質。人口12億人! で平均年齢25才!! と基礎的マーケットパワーがハンパなく、IT長者が続出しているくらい一部の教育レベルもハンパなく高い。中国みたいな政府主導の計画経済ではない分、進みは遅いけど逆に言うと心配も少ないわけだ。
要はその本質は「反日のない中国(超大国)」ともウワサされ、特に日本にとっては願ってもない夢の市場なわけですよ。

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●1980年代頭からインドに進出したスズキ
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ってなわけで世界の自動車激戦区インド。その活躍筆頭は我らがスズキだ。まだビンボー国だった1980年代頭、有名なガンジーの息子さんが始めた国営マルチ・ウドヨグ社と組んだマルチ・スズキが今も事実上の国民車メーカーとして君臨。80〜90年代は得意の軽技術でシェア50%超えの半寡占状態で、最近少し落ちていたがまた挽回! それは、現地を知り尽くした新ジャンル開拓パワーにあ〜る。

Auto Expo in New Dehli 2016 vitara brezza
例えば今年スズキの注目はインドならではの4m以下セグメントバトル! インドはいま全長4m以下で、なおかつ排気量がガソリンなら1.2L、ディーゼルなら1.5L以下のクルマに優遇税制が適用され、24%の物品税が12%に減る。その効果は大きく、現在全乗用車約7割が4m以下! よって最近ますますこのセグメントのバトルが激化しているのだ。

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そして満を持してスズキが出して来たのがSUVの「ビターラ・プレッツア」。エスクードの小型版だが全長4m以下なだけでなく、設計からデザインから製造まですべて現地マルチスズキが担当。これはさすがのスズキも初めてのチャレンジで、いわば「インド人によるインド人のためのインドサイズのSUV」ってわけよ。エンジンも燃費のいい1.3Lディーゼルメインで競争力バッチリだしね。

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現状4m以下カーは、セダンメインでSUVは2012年のフォード・エコスポーツが先鞭を付けた市場。今後ますます激化しそうですわ。

●インドで注目されているホンダ、八郷社長も直々に!

それからインドで注目されている日本勢は実はホンダ! ちょいと予想外だが、実は2011年初投入のASEAN戦略カー、40万ルピー(70万円強)の「ブリオ」が大ヒット。その後も矢継ぎ早にセダン版「アメイズ」、ミニバンの「モビリオ」を投入。結果、2012年は年8万台レベルだったのが2015年は20万台レベルにまで急上昇してたりする。

Auto Expo in New Dehli 2016 Auto Expo in New Dehli 2016 honda br-v
で、その勢いのまま、同じアジアンプラットフォームから作られたのが今回発表の新型「BR-V」だ。インドネシア、タイと発表済みだが、単純な4列シートの7人乗りではなく、SUVらしいワイルドな外観を備え、迫力はバッチリ。

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しかも、これまでの兄弟車と同じく値段以上のプレミアム感があって、これまたインドでも売れそう。それは今回のデリーに本社に八郷社長が直々に来たことからも良くわかる話で、なんせスズキもトヨタも日産も社長レベルは来てらっしゃらなかったしさ。

●イマイチ乗り切れないトヨタと日産
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かたや未来の大票田、インドで同じく頑張ってるけどイマイチに波に乗り切れないのが我らがトヨタ&日産でしょうか。トヨタは現地トヨタ・キルロスカ・モーターが2011年にインド戦略車の「エティオス」、日産が2014年には同じく復活ブランド「ダットサン」から新型「GO」を出し、エティオスはセダン&ハッチバック&クロスオーバーで年6万台レベルと頑張ってるものの大爆発とまではいってないし、新興国向けキモ入りダットサンGOに至ってはシリーズ合わせて月間1000台レベルのポテンヒット。完全に当てが外れた状態だ。

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が、希望は捨てずにまずトヨタは一通りバリエーションを出し終えたエティオスはそのまま得意のプレミアム路線で1歩前進。
それはインドじゃ11年間クラストップのプレミアムミニバン、イノーバのテコ入れで今回「イノーバ・クリスタ」として完全フルモデルチェンジ。トヨタの新興国向けのフレーム付きシリーズ「IMV」(イノベーティブインターナショナル・マルチパーパス・ビークル)の新世代版で、今回フレームからエンジンから6速ATまで新開発。見た目クオリティも明らかに高くて、会場でも大人気。

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同時に、日本じゃ導入済みの4代目プリウスも発表。とりあえずは大衆車向けではなく"憧れのトヨタ"をより印象付けたって感じですか。

nissan go cross concept nissan go cross concept
一方、デビューからまもないダットサン「GO」はクロスオーバーの「GO-crossコンセプト」を発表。ショーモデルだったが、見た目の豪華さはかなり上々で、インテリアの質感も相当アップしていた。本気でGOのイメージアップを計ってると小沢は見ました。

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加え日産で面白かったのはインドでどれくらい売れるの? と思いつつイメージリーダーとなりうる「GT-R」の正規輸入を発表。ハイテクな「エクストレイル・ハイブリッド」の投入も名言し、総力で日産のプレミアムイメージを上げようしてるのが伝わってきた。

●世界19社の超グローバルバトル!

ってなわけでスズキを筆頭に目に見えて成果を上げているホンダ、苦戦中だが全然諦めてないトヨタに日産と、日本勢の頑張りが見えているインドだが、そうは言ってもインドはやり甲斐のあるマーケットなはず。
前述した通り反日はないし、なによりインドは新幹線を導入するわ、モディ首相は日本に来て直接経済協力を要請するわの親日体制。2025年には中国を抜いて人口世界一になると予想もされててそのポテンシャルは本当に高い。

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その分、実は日本勢以外も凄くて、一番の驚異は韓国ヒュンダイで、スズキの次に売れてるのは同社の「i10」「i20」といったコンパクトな「i」シリーズだし、この手とSUV系でインド・カーオブザイヤーを3年連続で受賞してたりする。

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それとインドには出遅れてたVWも、今回遂に本気モードのインド専用車、アメオを投入。もちろん4m以下セダンで、エンジンもガソリンが1.2L直3、ディーゼルが1.5L直4ターボとこれまた優遇税枠ギリギリ。
しかもコイツがまた見た目品質、インテリア品質共に高く、なおかつセグメント初のクルーズコントロールや全車デュアルエアバッグにABS標準装備が凄いようなのだ。価格はスズキやタタより高めになるだろうが、一部で確実に受けそう。まさしく激辛バトルにはことかかないインドなのだ。
とはいえカギを握るのは「コスト」と「クオリティ」のバランスに尽きる。まだまだお金が大衆に行き渡っておらず、一部の金持ちは除き「安くていいもの」は売れるけど「高くていいもの」は売れない。その点に置いてマルチスズキやヒュンダイは決定的なアドバンテージがあるわけで、ホンダのエンジニアですらスズキを見て「どうしてあの品質がこの値段で出来るのかわからない」と漏らすほど。

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世界の注目激辛マーケットを制するのはコスパ。奇しくも日本の軽マーケットと似通ってるってのが面白いよね(笑)。

■スズキ 公式サイト
http://www.suzuki.co.jp
■ホンダ 公式サイト
http://www.honda.co.jp
■トヨタ 公式サイト
http://toyota.jp
■日産 公式サイト
http://www.nissan.co.jp