クリス・エヴァンス、苦戦続きの『トップギア』からついに降板
先日の記事で少しだけお伝えした通り、クリス・エヴァンスが波乱に満ちた『トップギア』のメイン司会から降板することになった。これは本人がTwitterで明らかにしたもので、シーズン23最終回(エピソード6)の放送終了後、24時間以内に番組から離れるという。

エヴァンスをジェレミー・クラークソンの後釜に起用するとBBCが発表した時から、『トップギア』は物議を醸していた。何が上手く行かないのか、当初から言及するのは難しかったが、結局のところ、すべてが上手く行っていなかったのだろう。撮影直後から噴出した問題、舞台裏のエヴァンスの高慢な態度他の共同司会者との不協和音、エヴァンスがスタッフをひどく怒鳴りつけていると噂され、あのジェレミー・クラークソンより態度が悪いとまで言われていたのだ。
トップギアを降板。ベストを尽くしたが力不足なこともある。チームは最高だ。番組の益々の発展を祈る。

クリス・エヴァンス (@achrisevans)2016年7月4日


このような数々のネガティブな噂を差し引いたとしても、人気番組『トップギア』愛してきたファンを前に、エヴァンスの立場は当初から圧倒的に不利だった。クラークソンとの比較は避けられないことだろうが、全6シリーズが終了するまでの約1カ月の間、エヴァンスは結局、ファンの期待に応えることが出来なかった。クラークソン独特の大げさな言動やキャラクターに、ファンは親しんできた。クルマに対する彼の評価も総合的に的を射ており、だからこそ、時として大声を上げ、エネルギッシュに司会を務めるクラークソンの『トップギア』をファンは愛したのだ。

ところがエヴァンスは、新生『トップギア』の初回放送で、そんなクラークソンに関するジョークを飛ばすという暴挙に出た。ファンが望んでいた人選ではないということに加えて、多くの視聴者にとってまだ記憶に新しく、長年親しんできた旧バージョンを貶めるような発言をしたのだ。これでは到底ファンとの距離を縮めることにはならないだろう。

そして、低迷した視聴率はエヴァンスを窮地に追い込んだ。今月末に予定されていたBBC上層部との面談では、今後の彼の役割舞台裏での態度について話し合われる予定だったが、どうやらその必要はなくなったようだ。BBC側が解雇を通告したのか、エヴァンス自身が決断したのか、あるいは、マット・ルブランの要求が功を奏したのか、今のところ詳細な事情は分からない。シーズン初回から多くの問題が取り沙汰されてきた新生『トップギア』だったが、ついにエヴァンスが降板するというニュースを聞き、我々は悲しみの念を禁じ得ない。

しかし当のエヴァンス本人は、シーズン23の幕引きとなるエピソード6(7月3日放送)で、ようやく調子を掴んだように見えた。見逃した方は再放送をご覧になれば、多少控え目で、大人しくなったクリス・エヴァンスが見られるはずだ。もしエヴァンスにもっと時間的な猶予が与えられていたら、彼がどのように番組の舵をとり、やり通したか知りたい気もする。だが、ここに注目すべき事実がある。2002年にジェレミー・クラークソンとプロデューサーのアンディ・ウィルマンが『トップ・ギア』の新たなスタートを切ったとき、司会者はクラークソン、リチャード・ハモンド、ジェイソン・ドウの3人だった。つまり、ジェームズ・メイはシーズン2になって初めて番組に加わったのだ。そう考えると、我々はむしろ新生『トップ・ギア』の次シリーズ、"シーズン24"に、是非とも期待したい。
『Radio 2』『CarFest』『Children In Need』『500 Words』、そしてこれから制作する番組全てに全力投球していこう。

クリス・エヴァンス (@achrisevans)2016年7月4日



By Brandon Turkus
翻訳:日本映像翻訳アカデミー