VWのディーゼル排出ガス問題、米国当局と合意した支払総額は最大で1兆5,000億円
フォルクスワーゲン(VW)が米国で約50万台、全世界では1,100万台に及ぶディーゼル・エンジン車に排出ガスの不正ソフトウェアを搭載していた問題については、いまだに本格的かつ技術的な解決策は打ち出されていない。しかしようやく、少なくともこの件に関する支出総額は出たようだ。VWと米国環境保護庁(EPA)は28日、VWが最大147億ドル(約1.5兆円)を支払うとの内容で合意したと発表した。これは、少し前に紹介した100億ドル(約1兆円)をさらに上回る数字で、顧客からのクルマの買い戻しやリースの早期解約、該当車の"改良"、そしてゼロエミッション技術や大気汚染削減のための研究に当てられるという。昨秋、今回の不正問題が明るみに出た当初、VWは73億ドル(約7,500億円)を本件の引当金としていた。

ここで最も興味深いのは、懸案のディーゼル車が排出ガス基準を満たすためにはどうすればよいのか、もしくは、果たしてそれが可能なのかを、VWがいまだに当局に説明していないことだ。EPAはプレスリリースの中で、「VWは排出ガスに関する改修計画をEPAとカリフォルニア州大気資源局(CARB)に提案し、承認された場合は、該当車のオーナーやリース契約者に対して、実際に排出ガスを削減させる改修を、買い戻しの代わりに選択肢として提案するように」と求めている。つまり言い換えれば、世に出回ってしまった懸案のディーゼル車にVWのエンジニアがいかなるマジックを施そうとしているにしろ、それはまだ承認されていないということなのだ。

今回発表された声明には、米国当局及びCARBとの取り決めと、米国連邦取引委員会(FTC)との取り決めの2件が含まれている。VWは、米国市場における全ての該当車に対して買い戻しやリース解約をしなければいけないわけではない。声明では、「不正プログラムを組み込んだ2.0リッターのディーゼル・エンジン搭載車のうち、少なくとも85%のクルマ」への対応、または、「大気汚染削減のための基金へのさらなる資金投入」を科すとしている。本件の該当車は、2009年~2015年の間に販売またはリース契約をした2.0リッターTDIエンジンを搭載するVW「ジェッタ」「ゴルフ」「パサート」「ビートル」およびアウディ「A3」。

VWはまだ窮地を脱したわけではない。今回の合意は3.0リッターのディーゼル・エンジン搭載車に対する訴えや、"ペンディングとなっている民事制裁金"、"刑事責任の可能性"についてはもちろん、他国でのVWへの罰金や裁判については触れていないからだ。プレスリリースの全文はEPAのサイトVW USのサイトでそれぞれ確認できる。


By Sebastian Blanco
翻訳:日本映像翻訳アカデミー