シトロエン、スペインのリゾート島に電動ビーチカー「Eメアリ」を寄贈
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"地中海最後の楽園"とも呼ばれるスペインのフォルメンテラ島は、約1万2,000人が暮らす全長19kmほどの小さな島だ。しかし夏になると、この小さな島に1万5,000台ものクルマが一遍に押し寄せる。島民にとって観光の最盛期は、交通量に比例して大気汚染や渋滞、騒音も増加する厄介な時期とも言えるのだ。フェリーからクルマが列をなして上陸するのは珍しくない光景だが、今年6月にはこのフォルメンテラ島の生活において重要な転機となるかもしれない6台のクルマが初上陸した。

シトロエンは、フォルメンテラ島のホテル経営者たちに、6台の電気自動車(EV)Eメアリ」を寄贈。これを契機に、島では全ての化石燃料を用いるクルマを入島禁止にして、ゼロ・エミッションの車両のみを許可するという計画をさらに前進させようとしている。

島の観光局長、アレハンドラ・フェレール氏によると、EVのみを許可するというアイデアは、島民や観光関連の組織を含め、島中で話が進められていたという。「フォルメンテラ島は、島独自の景色や平穏な雰囲気の維持に努めています」と同氏は語っている。エミッション・フリーの計画が実施される正式な時期は決まっていないものの、シトロエンと共同で行う試験運用が、島を走る自動車の様相を変える重要な転機になると期待を集めている。

島の自治体はすでにホテルに対し、宿泊客にEVを貸し出すことを奨励しており、また約200の企業が税金控除を利用してホテル敷地内にEV充電施設を作ることに関心を示しているそうだ。さらにシトロエンは、ホテルやレンタカー会社にEメアリ購入の値引きを提示している(しかし、フランスと同様にバッテリーパックをレンタルにするのかどうかは不明だ)。そして小さな島ならではの利点として、EVの航続距離という制限を気にせずに済むことが挙げられる。Eメアリは1回の充電で約200kmの距離を走行できるが、フォルメンテラ島なら端から端まで5往復できてしまう計算だ。

プラスチック製ボディのEメアリは、確かにちょっと風変わりかもしれない。しかし、ビーチがよく似合うオープントップのEVなら、フォルメンテラ島ほど適した舞台は他にないだろう。同車は今年の春にフランスで販売が開始されたが、髪をなびかせながら太陽光が降り注ぐビーチを走るには最適なレジャーカーとして宣伝されている。フォルメンテラ島には、シトロエン「2CV」の派生モデルであり、Eメアリの先祖にあたる「メアリ」が147台も現存している。もし島民が愛情を注いできた内燃機関のメアリを買い替えるなら、EVバージョンに進化したこの後継車が有力だろう。



By John Beltz Snyder
翻訳:日本映像翻訳アカデミー