BMW M2 coupe 2016
これがもっとも「M」らしい「M」と言えるのかもしれない。
というのも、パワーとボディサイズのバランスが、攻撃的なドライビングパフォーマンスを身上とするMシリーズの中にあって、もっとも適切なのかもしれないと思うからだ。

BMW M2 coupe 2016 BMW M2 coupe 2016
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基本ボディはもちろん、2シリーズがベースになっている。だが、幅広のボディを纏う。フロントトレッドは70mmワイド、リアは65mm広げられている。フロント245/35R19、リア265/35R19という太いタイヤを収めるために、大胆にワイドなフェンダーが奢れているのだ。

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それでもコンパクトであることに疑いはない。主力のM3に比較して全長は約20cm短く、トレッドもホイールベースも狭い。そんなボディに最高出力370ps/6500rpm、最大トルク47.4kg-m/1400-5560rpmを絞り出す直列6気筒ターボエンジンを搭載しているのだ。それがもたらす走りが刺激に満ち溢れていることはあきらかなのである。

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 冒頭で、もっとも「M」らしい「M」と表現したのは、スパルタンスポーツマシンが年々肥大化する潮流へのアンチテーゼ。走りに没頭するためには、軽量コンパクトボディと強力なエンジンの組み合わせが理想だと思うからである。

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実際に走らせてみると、1985年にデビューし世界を席巻した初代M3や、さらに1973年まで遡って2002ターボのノスタルジーを意識してしまった。最新の技術を煎じて伝統的なドライビングプレジャーを盛り込んだように感じたのだ。

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搭載するエンジンは、ターボユニットでありながら、自然吸気のような俊敏なレスポンスを発揮する。怒濤のトルクはNAでは達成できない次元にあるから、ターボであることはそこから想像がつくのだが、はたしてこれが過給器付きなのかと疑いたくなった。もう一度スペック表で確認してしまったほどである。
7速のデュアルクラッチも、変速の遅れがまったくない。パドルを叩けば瞬時に変速を完了してくれる。駆動伝達も完璧だから、エンジンの良さをさらに際立たせているのだ。

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ノーズの動きが軽いのも、コンパクトであることの恩恵である。ホイールベースが短いことから、BMWがこだわる前後重量配分50対50を達成させるのは困難だと思える。そのせいか、滲み出るようなバランスの良さは感じない。だが、かといってフロントヘビーな印象はなく、フロントの切れ味は鋭いのだ。

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ドライバーとリアタイヤが接近しているのも、M2の魅力のひとつだ。アクセルペダルを踏み込み、リアタイヤがスキッドしかけながらヨーを発生するその感覚が、ダイレクトに伝わってくる。

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組み込まれているアクティブMデフレンシャルは、左右の駆動力バランスを整えたり、LSD機構を自在にコントロールする。それが厄介なアンダーステアや過激なリバースステアを抑えてくれるだが、電子制御に抑えられ、ストレスが溜まるような感覚がないことに感動する。挙動は安定しているのに、コンベンショナルなLSDらしいダイレクト感が残されているのである。

BMW M2 coupe 2016
今回の試乗はタイトなコーナーが連続するワインディングだった。道幅は狭く、コーナーが深く曲がり込んでいた。そんなステージでさえボディを持て余すことなく激走できたのは、M2がMらしいモデルであることの証拠だ。あらためにコンパクトなボディの魅力を再確認された次第。

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だがその一方で、サーキットに持ち込んで、徹底的に痛めつけたいとも思ってしまった。おそらくコンペティションのようなハードな走行にも十分耐える性能を秘めていることはたしかだし、そこでこそ本領を発揮するのかもしれないと期待している。

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そう、それこそがMなのである。

■BMW 公式サイト
http://www.bmw.co.jp/ja/