Google共同創業者のラリー・ペイジ氏が、密かに空飛ぶクルマを開発中
おびただしい数の空飛ぶクルマが排気ガスを撒き散らしながら都市の上空を舞っているディストピアな未来を想像してみてほしい。金融情報サービス『ブルームバーグ』によると、Googleの共同創業者でAlphabetのCEOであるラリー・ペイジ氏は、そんな未来を現実のものにしようと、空飛ぶクルマを真剣に開発しているカリフォルニアの新興企業2社、Zee.Aero社とKitty Hawk社に個人的に出資しているという。Zee.Aero社はカリフォルニア州マウンテンビューにあるGoogle本社のはずれに拠点を置いているが、同氏による関与は今まで極秘とされてきた。

このプロジェクトに詳しい10人もの情報提供者によれば、Zee.Aero社は既に2台のプロトタイプを開発しており、定期的にテスト飛行を行っているという。同社は南カリフォルニアにあるホリスターの滑走路のそばに施設を構えており、地元住民によると変わった飛行機が頭上を飛んでいるのを目撃したとのことだ。報道によれば、それは飛行機のような自動車で、後部にプロペラが備わっているという。1台は1人乗りの小型機であり、もう1台は見たところ、もっと収容能力が高そうだという。

昨年、未来の交通やエネルギーを扱う情報サイト「ロング・テイル・パイプ」では、Zee.Aero社のアイデアが詳細に記された特許申請書類を発見した。その図面を見ると、この"空飛ぶクルマ"らしき乗物には航空機のようなコックピットがあり、それと並列して回転翼がいくつも配置されている。このプロジェクトと同様のトップ・シークレットをもう1つ明かすと、実は同社のエンジニアは2013年のレッドブル・フルーグタグの大会で、人力飛行による航続距離の世界記録を樹立しているのだ(その模様は文末の映像をどうぞ)。

もう一方のKitty Hawk社とは、Googleの次世代技術の開発を行うGoogle X Labの創設者、セバスチャン・スラン氏が率いる会社で、競合プロジェクトとしてラリー・ペイジ氏によってスピンアウトさせられたらしい。スラン氏は以前、Googleの自動運転車開発プロジェクトに携わっていたことでも有名で、ペイジ氏はこの2社を直接競合させることによって、空飛ぶクルマの完成が早まると信じているようだ。Kitty Hawk社はクアッドローターのドローンに近いものを製作しており、中国メーカーによって開発された自動運転も可能な1人乗りドローン「Ehang 184」を思い起こさせる。

なおブルームバーグでは、ペイジ氏の両社への関与について報道することは、残念ながらただ彼の夢をぶち壊すだけかもしれないと思っているようだ。ペイジ氏は以前、もし両社との関係性が公になれば、即座にこのプロジェクトから引き上げると同僚に誓ったという。おそらく彼はSFで描かれたディストピアを連想させる空飛ぶクルマより、多くの人が今日直面している問題を解決してくれるような大量輸送の方法にエネルギーを注ぎ込んだほうがよいのではないだろうか。




注:この記事は米国版『Engadget』に掲載されたDaniel Cooper記者による記事を転載したもの。

By Engadget
翻訳:日本映像翻訳アカデミー