ハーレーダビッドソンから新型電動バイクが5年以内に登場
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2021年の未来予想図は、人々を乗せたプラグインのクルマやバスが発生する穏やかで微かなモーター音が路上に満ちていることだろう。そして時折、こうしたクルマの群れを乱すように、力強いエンジン音をとどろかせ、まるで羊の群れの中に入り込んだオオカミのようにハーレーダビッドソンが走り抜けていく。しかし、そんな未来が訪れることはないかもしれない。米国ビジネス・サイト『Milwaukee Business Journal』(購読者のみ閲覧可)のインタビュー記事によると、ハーレーの上級副社長ショーン・カミングス氏が、5年以内に電動バイクをリリースすると発言したのだ。

ハーレーは、電動バイク「プロジェクト・ライブワイヤー」のPRイベント・ツアーを2014年に開始。ハーレー・ファンに試作型の電動バイクを試乗してもらい、顧客の声を集めるために、サーカス団のごとく40台のライブワイヤーを引き連れて北米、欧州のディーラーを巡った。そのイベントで我々も実際に試乗した際、いずれハーレーは顧客に電動バイクなるものを提供するだろうと確信した。当時、唯一欠けていたのは"いつ頃発売されるのか"という情報だった。しかし、発売時期の目途がたった今、次なる関心はその電動バイクがどのような姿になるのかということに向けられている。

ライブワイヤーのデザインはPRイベントで大きな反響を呼んだが、実際に販売されるモデルが同様のデザインになることはなさそうだ。というのも、電動バイクの開発において、バッテリー技術が同社の大きな課題の1つになっているからだ。航続距離に関し、同社は試作型のライブワイヤーの88kmという数値を、少なくとも2倍に伸ばす必要があるという。航続距離を伸ばすには、より多くのバッテリー容量が必要だ。そしてバッテリー容量を増やすには、エネルギー密度を向上させることはもちろんだが、さらにバッテリーの設置スペースを拡大しなければならない。

そのためには、おそらくライブワイヤーの美しく据え付けられた縦置きモーターを変える必要があるだろう。これは出力されたパワーの伝える方向をベベルギヤによって変えているのだが、このモーターでは大きすぎるのだ。残念ながら近い将来、電動バイクの世界でも、大容量かつ重量のあるバッテリーが求められるようになるだろう。航続走行の拡大を考えればそれは当然だ。そしてバッテリーは構造上フレーム内の下部に収められるべきで、そのためにもモーターはコンパクトな方が望ましく、スイングアーム接合部の中、とまでは言わないが、少なくともスイングアーム近くの後方に搭載されるべきだろう。

この「バー&シールド」ブランドの当面の課題は、モーター搭載部を魅力あるデザインに仕上げるということであり、これは他社も苦心している点だ。この新しいバイクは、ハーレーダビッドソンを愛してきた従来の顧客層(中年層より上の世代)の好みに必ずしも合わせる必要はないかもしれないが、歴史の重みは忘れずに設計を進めるべきである。そして自動制御された乗物から抜け出し、バイクが与えてくれる自由を感じたいと思う、若い世代や多様な人種にカッコ良いと思ってもらうことが必要だろう。

ハーレーダビッドソン本社の設計図に今どんなアイデアが描かれているのか、ちょっと覗いてみたいものだ。


By Domenick Yoney
翻訳:日本映像翻訳アカデミー