いよいよ週末に24時間レースを控え、ル・マン市内のリパブリック広場では12日と13日に恒例の公開車検が行われた。


1日目は前年の優勝車ポルシェが登場。「919ハイブリッド」はV型4気筒エンジンが昨年からさらに軽量化されるなど、各部に改良が施された。ポルシェによれば、満タンに入れた62.5リッターの燃料で、1周13.629kmのコースを最大14周走れるという。つまり燃費は約3.05km/L。ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブがゼッケン2番、ティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバーが1番のマシンに乗る。


悲願の初優勝に向けてトヨタは新型マシン「TS050ハイブリッド」を投入。エンジンが昨年の3.7リッターV8自然吸気から、2.4リッターV6ターボにダウンサイジングされた。5号車は昨年と同じアンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴、そして6号車はステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉がドライブする。2人の日本人元F1ドライバーの活躍にも期待したい。


LMP2クラスでは、昨年クラス優勝したKCMGチームの「オレカ05 ニッサン」に、今年はマシュー・ホーソンとリチャード・ブラッドリーに松田次生が加わった。


84番を付けるモーガンのLM P2マシンは特別枠からの出場。ソーセ・レーシング・チーム 41を率いるフレデリック・ソーセは、2012年に細菌に感染して両手足を失った。その後、2015年に初めてレーシングカーを運転し、今年はついにル・マン出場という夢を叶える。



市販スポーツカーをベースとするGTEクラスで最も注目を浴びるのは、ほぼ半世紀ぶりにル・マンに帰って来た「フォード GT」。1966年に同名のプロトタイプ・レースカーがアメリカ車として初めて優勝、しかも1位から3位まで独占してから、今年はちょうど50周年にあたる。アメリカン・レーシングの名門チームとして知られるチップ・ガナッシから、一挙に4台もエントリー。もっとも、1966年にはワークスとプライベーターを合わせて13台ものフォード GTが出場していたわけだが。


今年からル・マン GTE Proクラスはボディの規定が変わり、例えばリア・ウイングが小さくなった代わりに巨大なディフューザーの装着が可能になった。フォードがこれに合わせてレースカーと同時にベースとなる市販車を開発したのに対し、ポルシェは猶予期間ということで昨年型のままで出場。91番と92番の「911RSR」はワークス・チームのマシンだ。



2日目の公開車検にはアウディの「R18」が姿を現した。4.0リッターV6ディーゼル・ターボに加えて電気モーターが前輪を駆動するというレイアウトは引き継がれたものの、今年のマシンはアウディによれば「ゼロから再設計」され、従来型との共通部品はほとんどないという。今年も名門チーム・ヨーストと組んで昨年の雪辱を誓う。7号車にマルセル・フェスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ、8号車にルーカス・ディ・グラッシ/ロイック・デュバル/オリバー・ジャービスが乗る。


LM P2クラスで34番のオレカ03R ジャッドを走らせるレース・パフォーマンス・チームには、同チームでアジア・ル・マン・シリーズを戦った中野信治もドライバーの1人として参加する。


LM GTE Proクラスのアストンマーティン・レーシングは、昨年型の「ヴァンテージ」にボディ・パーツを変更して新規定に対応。巨大なディフューザーがよく分かる。



シボレー・レーシングの鮮やかなイエローに塗られた「コルベット C7.R」は、昨年のクラス優勝マシン。フランス語の垂れ幕には、「ル・マン市のみなさん、ありがとう」と書かれている。Le Mans市民のことを"Manceaux"というなんて、この記事を書くために調べて初めて知った。

車検が終わると、ル・マンはいよいよ15日、つまり今日から予選が始まる。いよいよ各マシンの本気の速さが明らかになるわけだ。結果は後ほど写真と共にお伝えする予定なので、どうぞお楽しみに。

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