富士重工業の米国販売子会社であるスバルオブアメリカは、英国のプロドライブ社と共同開発した「WRX STI」が、マン島TTコースにおける最速記録を樹立したと発表。プロドライブからその動画が早速公開された。

Autoblogでは既に何度もご紹介しているとおり、マン島TTレース期間中に4輪車でタイム・アタックするスバルの挑戦は、2輪車レースにさほど興味のないクルマ好きからも熱い注目を集める恒例イベント。英国北西部のアイリッシュ海に浮かぶマン島の全長60.8kmにおよぶマウンテン・コースを、2011年に先代WRX STIが19分56秒というタイムで走り切り、当時の最速記録を樹立すると、現行モデルを投入した2014年には19分26秒を記録して見事更新に成功。さらにその2日後にこれを上回る19分15秒というタイムを叩き出している。

そして今年は、かつてスバルと共に世界ラリー選手権を制したプロドライブが車両の設計と製作を担当し、スバルのモータースポーツ活動を担うSTIから技術支援を受けてサスペンションやエンジン等のセットアップを行ったという。ドライバーを務めるのはもちろんこれまでと同じく、英国ラリー選手権の元チャンピオンであり、映画『007スペクター』ではジェームズ・ボンドの影武者も務めた、マン島生まれのマーク・ヒギンズ選手(45歳)だ。

プロドライブがこのタイム・アタックのために開発したWRX STIは、2.0リッター水平対向4気筒エンジンの最高出力が600hpにまで引き上げられ、リア・ウイングにDRS(空気抵抗低減システム)が組み込まれているという。これによって強いダウンフォースを必要としないストレートでは、空気抵抗を下げて速度を稼ぐことができる。

その結果はなんと、前回の記録を2分近く(!)も上回る17分35秒139というラップタイムを達成。平均速度も2014年の116.47mph(約187km/h)から128.73mph(約207km/h)に向上した。この素晴らしい最速記録更新に対し、スバルは「WRX STIの優れたAWDスポーツパフォーマンスがあらためて実証されました」とコメントしている。

前回のタイム・アタックで使用した車両は、基本的にエンジンもエアロダイナミクスも市販されている状態のまま、サスペンションのダンパーとスプリングを変更しただけだったというから、名門レーシング・コンストラクターのプロドライブが車両を製作するとなればタイムアップは予想できたことだった。とはいえ、これほど記録が短縮されるとは、WRX STIに秘められたポテンシャルの高さが証明されたと言えるだろう。そんなクルマが我が国では400万円ほどで買えるのだから幸せだ。これを機に、プロドライブがチューンした「WRX STI マン島TT最速記念モデル」なんて発売されたら、驚喜するファンは多いと思うのだが...!?



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