BMW i、次のモデルは2011年に登場する自動運転車「iNEXT」
BMWが2011年に起ち上げたサブブランド、BMW iではこれまで電気自動車(EV)の開発を追求してきたが、誕生からわずか数年という短い歴史にもかかわらず、すでに"究極の自動運転車"を造り上げるという次のミッションへ進もうとしているようだ。

BMWの研究開発担当のクラウス・フレーリヒ取締役は、ロイター通信の取材に対し「(BMW iは)更なる高みを目指す。その名も『iNEXT』プロジェクトだ」と述べている。

iNEXTという新しいプロジェクトが発足したとは言え、BMW iがEVの開発をやめるというわけではない。そうではなく、BMWiが次に発表するEVには、次世代の自動運転技術が搭載されるということだ。

このiNEXTについては、5月12日にドイツで開かれたBMWの第96回年次株主総会のスピーチで、BMW AGのハラルド・クルーガー取締役会会長が「我々の革新に向かう新たな原動力であり、自動運転やデジタル・コネクティビティ、インテリジェントな軽量設計、全く新しいインテリアを備え、最終的には次世代の電動モビリティを公道上にもたらすことになる」と語っている。iNEXTの発表は2021年になる予定だが、ロイターによれば、BMWはたびたび噂されていた「i5」や他の未発表のクルマを含め、新しい「i」のバッジが付いたモデルをそれより前に発売することはないという。BMWがこの計画をどう呼ぶにせよ、自動運転技術が最優先事項となるのだ。

フレーリヒ取締役は、この自動運転車が独自の配車サービスを推し進め、Uberと提携したトヨタや、Lyftと提携したゼネラルモーターズ(GM)に対抗することを可能にすると付け加えた。同氏によれば、BMWは現在も配車サービスの分野での提携を画策している最中だというが、すでに少しずつ動き始めているようで、先月末には通勤向けカープールアプリ「Scoop」に小規模の出資を行っている。

テスラは言うまでもなく、ポルシェアウディなど多くの競合がいる電気自動車市場で、BMWの「i3」は苦戦を強いられている。米国における昨年の販売台数はたったの1万1,000台で、ここ5ヶ月ではわずか2,272台だ。このペースでは今年の売上は昨年の半分にも満たないだろう。さらに、i3の苦戦に追い打ちをかけるように、BMWの主要幹部が中国の新興EVメーカーに引き抜かれたとロイターは報じている。また、『ブルームバーグ』によると、中国フォックスコンなどの大手企業から出資を受けたベンチャーのフューチャー・モビリティに、BMW iの幹部が移籍したという話も聞こえている。今年に入ってからわずか5ヶ月の間に、電動パワートレインを開発したダーク・アベンドロス氏、製品管理責任者のヘンリク・ウェンダース氏、そして「i8」を開発したカルステン・ブライトフェルト氏が、BMW iから去ってしまったそうだ。こうした苦境を考えると、今回の方向転換は、BMW iが長期的に生き延びていくためには最善の選択肢なのかもしれない。


By Brandon Turkus
翻訳:日本映像翻訳アカデミー