オリーブオイルでも走る!? デザイン・コンペで選ばれた米国特殊部隊用オートバイが公開
2014年、米国政府でも謎の多い組織であるDARPA(米国防総省国防高等研究事業局)の調査部門が、特殊部隊用オートバイのデザインを募るコンペを実施した。そしてコンペに勝ち残った2案が、米国フロリダ州タンパで5月23日から3日間開催された国防産業協会(NDIA)によるカンファレンス、Special Operations Forces Industry Conference(SOFIC)にて公表された。どちらもあなたのよく知るカワサキのオートバイとは随分と違っている。

この2台のオートバイ、Logos Silent HawkとLSA Autonomy Nightmare(写真)は、ステルス的な外観に驚異的な多用途性を併せ持つ。これらに搭載されたエンジンは、火花点火と圧縮点火のどちらにも対応しているという。つまりガソリンでも、ジェット燃料でも、プロパンガスでも、燃焼できるということだ。Logos社のエンジニアであるAlex Dzwill氏は、国防や軍事関連専門ウェブサイト『Defense One』に、理論上はオリーブオイルだろうが、油ならなんでも走ると語っている。これは補給物資の少ない敵地で活動する特殊部隊にとっては非常に好都合だ。ガソリンが切れたら、地元のケバブ屋へ押し入ればいいのだ。

さらにこのオートバイには秘密のハイブリッド・パワートレインが搭載されている。80デシベルの騒音を発する燃焼機関から、ボタン1つでリチウムイオン電池を使用する電動モーターへ切り替えることができ、騒音レベルも55デシベルにまで下げることができる。『Defense One』によれば、これは部屋の中での会話ほどの騒音レベルだという。オートバイのエンジン音を静かにするだけでなく、このハイブリッドシステムがあれば、緊急時に連絡を取るための装置を充電することもできる。まさに軍用にぴったりな多機能ぶりだ。

しかし、なぜオートバイなのだろうか。戦闘時にはほとんど身を守るものがないではないか。科学技術分野を扱うウェブサイト『Popular Science』によれば、オートバイは現代の騎馬隊ではないので、戦うための装備は必要ないという。その代り、従来の車両に比べ静かにすばやく目的地へ特殊部隊を送り込めるのだ。

『Popular Science』によれば、DARPAのオートバイ・コンペは現在、3段階の改良プログラムの途中だという。特殊部隊の人々には悪いが、この2つの魅力的なオートバイは今すぐに実戦配備というわけにはいかないらしい。


By Brandon Turkus
翻訳:日本映像翻訳アカデミー