50周年を迎えたスバルの水平対向「ボクサー」エンジンに敬意を表し、魅力的な5つのモデルを振り返る
スバル車の特徴を2つ挙げるなら、それはもちろんAWD(全輪駆動)とボクサー(水平対向)エンジンだろう。実際、この日本の自動車メーカーは現在までにおよそ1,500万台のAWD車を生産しているが、同社の"顔"とも言えるボクサー・エンジンを搭載したクルマはさらに多く、1,600万台以上も生産されているのだ。

英語ではこの水平対向エンジンも、2つのシリンダーのバンク角が180度になることから、180度V型エンジンと一緒に括られて「フラット・エンジン」と呼ばれる。この型式はエンジンルームのより低い位置に搭載することが可能になるため、重心が低くハンドリングが向上するという利点がある。スバルは、これによってクルマがより安全になると主張している。向かい合うピストンが同時に動く本物の(180度V型ではない)水平対向エンジンにはバランサーシャフトも不要だ。しかし、特に6気筒より少ないシリンダー数のエンジンでは、騒音と振動が大きくなる傾向がある。

カール・ベンツ(メルセデス・ベンツの創始者として有名)が1896年に水平対向エンジンの特許を取得して以来、何十年にも渡って、他の自動車メーカーもこの設計を採用してきた。アルファ ロメオランチアシトロエンシボレーフォード、そしてフォルクスワーゲンは、いずれも水平対向エンジンをラインアップしていたことがある。タトラ、タッカー、パナールも然りだ。しかし、ポルシェやスバルほど頑固にその採用を継続している自動車メーカーはない。

ポルシェと同様に、スバルも4気筒と6気筒の水平対向エンジンを長年作り続けている。スバル製のボクサー・エンジンを初めて搭載した「スバル1000」が発売されたのは、1966年5月14日。つまりスバルはこれまでボクサー・エンジンを50年間作り続けてきたということになり、現在では全てのモデル(OEM供給を受けている軽自動車等は除く)にその特徴的な設計のエンジンが搭載されている。その50周年を記念して、我々のお気に入りの歴代ボクサー・エンジン搭載車を振り返ってみよう。


スバル「インプレッサ WRX STI」
世界中にいる無数のエンスージアスト、ラリーファン、そして走り屋たちにとって、スバルといえば「WRX」、そしてそれをパワーアップさせた「WRX STI」を指す。この全輪駆動とターボチャージャーを備える高性能セダンおよびハッチバックの存在は大きく、スバルは1995年から2003年の間にさまざまな仕様のインプレッサで世界ラリー選手権(WRC)に参戦し、3度も総合優勝に輝いている。ライバルである三菱ランサーエボリューション」のように、スバルはラリー・ステージで勝利したマシンを市販車のWRXに変換してきた。最初のWRXは初代「インプレッサ」がベースだが、残念ながらこの初期モデルは「インプレッサ 2.5RS」より強力なクルマとして米国本土で正式に発売されることはなかった。よって米国人は、第2世代になるまでWRXを入手できなかった。これら全てにボクサー・エンジンが搭載されている。


スバル「BRZ」
他の多くのスバル車とは違い「BRZ」はAWDではないが、搭載されているのはボクサー・エンジンだ。代わりに他のスバル車以上に低く、後ろ寄りに積まれた2.0リッター水平対抗4気筒エンジンは、最高出力200psと最大トルク20.9kgmを発揮し、6速のマニュアルまたはオートマティック・トランスミッションを介して後輪を駆動する。このエンジンは車体の他の大部分と同じく、米国ではサイオン「FR-S」として販売されていたトヨタ「86」と共有する。


スバル「SVX」
スバルが開発を試みた最初の2ドア・スポーツカーは「BRZ」ではない。1985年に「XT」(日本名:「アルシオーネ」)が登場し、その後継として1991年に発表されたのが画像の「SVX」(日本名:「アルシオーネSVX」)だ。

SVXは、日産「300ZX」(日本名:「フェアレディZ」)トヨタ「スープラ」三菱「3000 GT」(日本名:「GTO」と同時代に誕生した。SVXが搭載するエンジンはV型でも直列でもなく、もちろん水平対向の6気筒。この3.3リッターという排気量は、当時のスバル製エンジンとしては最大で、最高出力240psと最大トルク31.5kgmを発揮。米国市場向けには前輪駆動とAWDが用意されたが、残念なことにトランスミッションはATのみだった。

パワートレインの話は置いておくとして、SVXで実に際立っているのは、そのデザインだ。巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが手がけたこの"作品"は、当時公開されていたSFアクション映画『ロボコップ』シリーズから登場したような姿で、同時代のスーパーカーを思わせるようなミッドフレームウィンドウが採用されていた。今日の基準から見れば、このデザインは成熟しているとは言えないかもしれないが、1980年代ブームが起こったら、SVXは再び脚光を浴びる可能性もある。


スバル「フォレスター」
他の自動車メーカーが大型クロスオーバーをデビューさせていた頃、スバルはフォレスターの発表によって小型化の方向性をはっきりと打ち出した。我々はその決断を賞賛したい。1997年に登場した初代モデルは素晴らしい箱型のデザインで、車高の低さが新鮮だった。今日の「XV クロストレック」(日本名:「XV」)よりほんの数インチ高いだけなのだ。4世代を経て、現在の後継モデルはあらゆる寸法が少し伸びたが、それでも依然として軽快なクルマであり続けている。そして極めて重要なのは、いまでも水平対向4気筒エンジンを採用していることだ。


スバル「アウトバック」
ボルボが「クロスカントリー」を発表するより早く、そしてアウディの「オールロード」が登場するずっと以前から、スバルは「アウトバック」によってラフロード・ワゴンという概念を実質的に開拓していた(AMCよ、悪く思わないでほしい)。1990年代半ばに登場したアウトバックは、(現在も)その大部分が「レガシィ」をベースにしていたが、ワゴンとクロスオーバーのギャップを埋めるために採られた大きめの最低地上高と、ボディの下部に装着された色違いのクラッディングパネルが、特徴的な違いとなっている。また、アウトバックはAWDシステムや4気筒または6気筒から選べる水平対向エンジンなど、メカニカル面でもレガシィの機能を共有している。初代モデルは最高出力135hpの2.2リッターエンジンを搭載していたが、最新モデルは3.6リッター水平対向6気筒エンジンを搭載し、最高出力は256hpとほぼ倍増した。

一時は「インプレッサ」をベースに、やはり水平対向エンジンを搭載した「アウトバック スポーツ」が市場に投入されたが、現在は「XV クロストレック」(日本名:「XV」)が実質的な後継となっている。

さて、皆さんの心に最も強く印象に残っているスバルのボクサー・エンジン搭載車はどのモデルだろう? ぜひコメント欄やTwitterFacebookで教えて欲しい。

By Autoblog staff
翻訳:日本映像翻訳アカデミー