【噂】ホンダ、「S2000」の後継車を創立70周年にあたる2018年に発表? 生産は米国で?
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ホンダの「S2000」に後継車が登場する可能性について、米国の自動車雑誌『Car and Driver』に匿名の関係者から情報が寄せられた。その内容は決して多くはないのだが、ホンダに対するスポーツカー開発の要求が絶えないことを考えると、大いに合点がいく話とも言える。2009年に生産終了となったS2000が、噂通り2018年までに新型オープン・スポーツカーとして復活する可能性はあるのか、少ない情報をつなぎあわせて検証してみよう。

新しいS2000は、決して写真の小さなロードスターのようなクルマにはならないだろう。これは日本で発売されている軽自動車の「S660」だ。昨年お伝えしたように、S660は米国でも発売されるという噂があったものの、ホンダの幹部たちはこれを小さ過ぎると判断した。残念なことだが、正しい選択だったと思われる。

一方で、ホンダはようやく新型「アキュラ NSX」を市場に送り出す。このクルマは完璧とは言えないかもしれないが、大金を注ぎ込んでオハイオ州に工場を建設するほど、プラットフォームには独自性がある。この状況が示唆するように、S2000の噂が現実となるかどうかは、ホンダに新型スポーツカーのための専用プラットフォームを開発する意欲がどれだけあるかに掛かっている。そうでなければ、S2000の復活はないだろう。なぜなら、現時点でホンダのラインアップの中にS2000のプラットフォームとして使えそうなものはないからだ。情報提供者は、先述のS660とNSXという前例を挙げ、ホンダにはスポーツカーのために専用プラットフォームを開発する意志があると主張する。

また、ホンダの幹部はディーラーから「ホンダのラインアップには勢いがない」というプレッシャーを受けていることを認めている。アメリカン・ホンダモーター上級副社長のジョン・メンデル氏は昨年、自動車情報サイト『Automotive News』にこう語っている。ディーラーは「とにかくスポーツカーを求めてくる。格納式ハードトップ付きがいいとか、高出力で2万ドル(約220万円)のスポーツカーが欲しいとか。ディーラーとはそういうものだ」。この要求に応じて、S660が販売されない米国市場に、NSXより手頃な価格帯のスポーツカーを導入することは十分に考えられるというわけだ。

なお、情報によると、ホンダはコストを抑えめるために、すでにある新型「シビック TYPE R」のエンジンを次期S2000に活用しようと考えているようだ。このターボチャージャー付き2.0リッター4気筒エンジンは、シビックでは最高出力310psを発揮するが、噂によればS2000では出力が少し下げられるという。このエンジンが車両重量1,300kg程度という軽量な車体のフロントに縦置きされ、後輪を駆動することになる。過去のS2000がホンダ創立50周年を記念して発売されたように、その後継車は同社が創立70周年を迎える2018年に発表されると見られている。また、生産は八千代工業に委託されているS660とは異なり、NSXと同じ「パフォーマンス・マニュファクチャリング・センター」と呼ばれるオハイオの工場で行われるとのこと。これは次期S2000が米国を主な市場とするため、そしてNSX以外の車種も製造することで工場への投資を回収するためだ。シビック TYPE R用エンジンが、実は米国のやはりオハイオ州にあるアンナ工場で組まれていることを考えれば、さらに理に適っていると思われる。

もっとも今のところ、こうした噂の多くは、スポーツカーを求めるディーラーの情熱によって広まった希望的な話に過ぎない。だが願わくは、『Car and Driver』の報じた噂が真実であってほしい。S2000は復活させるに相応しい、非常に優れたモデルだったからだ。ホンダはもっともっと、楽しいクルマを作れるはずである。


By Alex Kierstein
翻訳:日本映像翻訳アカデミー