Mercedes-Benz G500 4x4²
 まずその異様なルックスに目が吸い寄せられる。前後はそれほど長くないのに、不自然に車高が高い。ハコは標準的なのに、不自然なほどに幅がある。こいつが徒者ではないことは、不気味さえ感じるほどのそのスタイルが物語っているのだ。

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 それもそのはず、基本ボディは、メルセデスのGクラスだが、カーボン素材のフェンダーを大きく張り出すことによって、240mmもワイドだ。全高は270mmアップ。ただならぬ走破性を秘めていることはあきらかだ。そう、期間限定でリリースしたメルセデス G550 4x4²は(フォー・バイ・フォー・スクエアード)は、徹底的にオフロード性能を突き詰めたクロスカントリーモデルなのである。

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 しかも、SUVにアンダーガードをつけただけでお茶を濁したような軟弱オフローダーなどではけしてない。たとえば、シャシーはラダーフレーム。ワイドフェンダーとタイヤの隙間から覗くツインダンパーは各車輪に組み込まれている。それぞれ二本のダンパーの一本は通常どおりの減衰力を発揮する。もう一本は電子制御可変ダンパーである。

Mercedes-Benz G500 4x4²
 車高が高いのは、「ホータルアクスル」、すなわち、車軸にもう一枚のギアをかませ、タイヤ回転中心点とドライブシャフトを位相させているのだ。これは軍用車の技術でもある。そう、このモデルは、戦地でも戦い抜くだけのシャシーの上に、プレミアムなGボディをちょこんと乗せただけなのである。異様なオーラはそこが源だ。

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 乗り込みからして、梯子がないことが不自然なほど高い。女性や子供なら、先に乗り込んだ誰かが手を引かねばよじ登れない高さである。よって着座したのならば、隣の4トントラックと視線が合う。

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 それでいて、インテリアは無骨なクロカン的しつらえではまったくなく、一流プレミアムらしいゴージャスな空間なのだから不思議なのだ。泥濘地で真価を発揮するクルマといえども、泥だらけのブーツで乗り込むのは躊躇われる。

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 走行フィールがまた異様である。直進安定性には目を瞑ろう。100km/h巡航でさえ長時間は疲れる。ブレーキは驚くほどよく利く。けれど、停止線で止まっても、しばらく上屋が揺れて、収まるまで3秒ほど時間がかかる。

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 搭載するエンジンはV型8気筒4リッターツインターボ。最高出力421ps。最大トルクは610Nmを発揮する。

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 それだけに、車重は3トンに迫るものの、加速感は強烈だ。猛獣が襲いかからんばかりの突進力だ。その反動で、ハンドルがとられ、直進が乱れる。性格は獰猛なのである。

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 だがしかし、どれだけ過激な荒れ地でもタイヤの接地を離さないであろうほどのサスペンションストロークがある。それはオンロードでも生かされている。その気になってコーナリングすれば、姿勢は左右に大きく傾くのだが、4輪がたしかに接地している感覚が強い。内輪が浮くことなどなく、ピタッとグリップしているのだ。粘り強いストローク感には感心した。
 ちなみに、最低地上高は460mm。取材時に下面を撮影しようとしたカメラマンは、雑作もなく潜っていった。

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 アプローチアングルは51.6度、デパーチャーアグルは43.8度。渡河深度は1メートルだから、こいつがスタックすることなどありえないだろう。エンジンさえ水没しなければ、道なき道をどこまでも走り切ってしまうに違いない。最大登坂角度は45度だという。プロ級でも腰が引けるような急斜面のゲレンデでも、グイグイと登ってしまうのである。

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 駐車しようと車止めにタイヤをあてたら、なにか小さな小石でも踏んだかのような曖昧な感覚で、ひょいっと乗り越えそうになってしまった。岩をも怖くない。

Mercedes-Benz G500 4x4²
 AMGでは先に6x6² モデルをリリースしたばかりだ。ただそっちはオフロード専用モデルであり、アーバンユースには適していない。それならばと企画されたのがこの 4x4²だと。メーカーは言う。だが、その言葉もにわかには納得できない。これで都会を闊歩する気にはなれない。やはりオフロードを過激に突き進んでこそ進化が発揮されるモデルであることには疑いはない。

■メルセデス・ベンツ 公式サイト
http://www.mercedes-benz.co.jp/