【ビデオ】昭和から変わっていないトヨタ AE86型「トレノ」に乗って、エビス・サーキットでドリフト
自動車の世界は猛烈な勢いで進化しており、現在のクルマは30年前や20年前はもちろんのこと、10年前のクルマと比べてもすっかり変わっている。これは特にパフォーマンスカーに当てはまる。そのことを考えると、今回ご紹介する動画の素晴らしさが実感できるはずだ。

この動画に登場するクルマは、ドリフト向けに仕立てられたトヨタAE86型「スプリンター トレノ」。それ自体は珍しい存在ではない。通称"ハチロク"と言えば、ドリフト界のレジェンドである。このトレノが際立って印象的なのは、現代的なドリフト車に改造されていないからだろう。4A-GE型エンジンはキャブレター式に換装されており、サスペンションなどの大部分はオリジナルのままだ。しかも車体はひどく錆び付いていて、時代を感じさせるステッカーがあちこちに貼られている。日本のクルマ文化を紹介する『Noriyaro』のアレクシ氏が説明しているように、20年以上もの間、特に変わらないまま存在してきたクルマなのだ。言うなれば、ドライバーをドリフトの創生期に連れて行ってくれるタイムマシンである。そんな年代物のパフォーマンスカーに、現代のドリフト車しか知らないドライバーが乗り込んだら一体どうなるだろうか? スピンの連続だ。

この8分45秒の動画が撮影された福島県のエビスサーキットで、アレクシ氏は"昭和"風のセットアップに取り組んでいるが、途中で何度もクルマの方向を制御し損ねている。だが、ビル・クリントン氏が米国大統領だった90年代当時のままのクルマに彼が立ち向かい、次第に操縦のコツをつかんでいく様子を見るのは興味深い。肉体的にもかなりハードなドライブだったと見え、パドックに戻る頃にはへとへとだったと本人も言っている。それにしても、このAE86でサーキットを走るのは実に楽しそうだ。


By Brandon Turkus
翻訳:日本映像翻訳アカデミー