HARLEY-DAVIDSON ROADSTER
ゴッホ、セザンヌ、ピカソ、マティス、ルノワール......。19世紀末から20世紀にかけて、近代絵画のマエストロたちは明るい陽光を求め次々とここ南フランスに集まり、芸術史を塗り替えるような作品を数多く残した。そんな歴史的巨匠たちの才能あふれる五感を刺激した色彩豊かな風景は、今もなにも変わっていない。

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エメラルド色の海に近づいたり眼下に眺めながらしつつ、発表されたばかりのハーレーダビッドソンのNEWモデル『ロードスター(ROADSTER)』とともに、石畳の道が迷路のように入り組む中世の村を駆け抜けていると、まるでタイムスリップしたかのような錯覚に陥り、これは夢ではないかとさえ思えてくる。

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気分は最高! 太陽の光がタップリと降り注ぐテラスで飲むカフェや色鮮やかな地中海のグルメ、薫り高く口当たりの良いワインももちろん素晴らしいが、絵画に夢中になった巨匠たちのように、ボクは何もかもを投げ出してこのままロードスターの俊敏な走りに、ずっとずっと酔いしれていたい!!  あぁ.....、このままモナコを抜け、ハーレーのVツインに揺られながらイタリアまで走り抜けることができたら、どれほど幸せなことか。

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紀元前600年に開港して以来、地中海の良港をめぐり様々な人種が覇権を争い、今もパリに次ぐフランスの大都市となっているマルセイユで、ロードスターのプレスカンファレンスはおこなわれた。

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H-D社のインダストリアルデザイナー、ベン・マッギンレー氏は、専用開発されたフロント19、リア18インチのアルミキャストホイールについてこう教えてくれた。「クラシックなワイヤースポークホイールにインスパイアされ、これまでのどのホイールよりも複雑な構造になっています」

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リア18インチはスポーツスターでは初の試みだが、前後サスペンションのストロークが長いこともあって車高がシュッと上がっているような視覚的効果もある。前後フェンダーが短くチョップされているからなおさらだが、見るからにすばしっこく走りそう。日本にはまだ上陸していない実車を目の当たりにしての第一印象だ。

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ハンドルは新設計のローライズバー。ベン氏は言う「乗り手が前傾姿勢になるアグレッシブなライディングスタイルをアピールしたかった」と。メインターゲットはヤングアダルト(年齢20〜30代)、ハーレーダビッドソンの伝統を知ったうえでスポーツライディングやカスタマイズを楽しむ、新しい価値観を求めるニューエイジだ。

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試乗はワインディングをひたすら走った。南仏プロヴァンス特有のタイトコーナーが続く難コースだが、終始エキサイティングでちっとも嫌にならないし、疲れない。旋回性が高いだけでなく乗り心地の良いロードスターだから、楽しくって仕方がない。

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この軽快なハンドリングを実現させているのは、完全武装した足まわりのおかげだ。まず特筆すべきはVロッドやXR1200/Xで採用された前例があるインナーチューブ径43mmの倒立式フロントフォークだが、現行スポーツスターファミリーでは唯一となる装備。決してハードセッティングではなく、初期からしなやかに動き、街乗りで流すようなペースでも路面追従性が高い。

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念のためプレスカンファレンスで、H-D社のプロダクトプランニング・ディレクターのポール・ジェームス氏に「倒立フロントフォークはVロッドと同じなのか?」と聞いたが、答えは「NO」。「見た目はとても似ているが、セッティングが見直され、専用に開発されたものだ」という。専用のトリプルクランプでマウントされ、レーク角28.9度、フォークアングル27.4度のディメンションとなった。

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その足まわりはワインディングをハイペースで駆け抜け、負荷をかけていったときにこそ真価を発揮する。フロント115mm、リア81mmという余裕あるサスペンショントラベル量を持ち、市街地をノンビリ流すようなペースでもコンフォート性に際立つが、コーナーでステップ裏のバンクセンサーを路面に擦り続けるほどハードに攻め込むようサスペンションストロークの奥まで使うと、そこからもさらに踏ん張りがしっかりと効き、乗り手は安心してダンロップ製のラジアルタイヤに荷重をかけていける。

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ロードスターならではの伝統的装備といえば、フロントブレーキのダブルディスクは決して欠かせないが、新型でもこれを踏襲。フローティングマウント式のローターは300mm径で、そのコントロール性の高さとストッピングパワーはやはり安心感があり、ABSとのマッチングも申し分なし。初期のABS搭載車のようなリアでのABS介入が早過ぎるといった不満はなく、連続するコーナーでペースアップしたいときも、うっすらと砂の浮くスリッピーな路面にも関わらず、フロントブレーキを若干引きずったまま進入するという最先端スーパースポーツのような乗り方も可能にしてしまっているから驚く。

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ローライズハンドルバーは初めて写真で見たとき、かなりの前傾姿勢になるのでは......!? と想像したが、シートの座面が低い位置にあるし、さほどの前傾ではないことも言っておかなければならない。「ハーレーにしては......」という前置きが付くのを忘れてはならず、長い時間乗り続けても身体のどこかが痛くなるなどということは一切なかった。

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アグレシッブなライディングポジションをもたらすのはハンドルのおかげだけでなく、ホールド性の高いリブ付きのツーアップシートもまた貢献している。加速に耐えられるようパッセンジャーシート部がバックレストにもなり、フラットな座面がコーナリングでは体重移動をしやすくしている。ミッドコントロールのステップもごく自然な程良い位置にあり、開発陣が徹底追求してきたことがよくわかる絶妙なライディングポジションだ。

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心臓部の1202ccスポーツスター・エボリューションエンジンは熟成の域に達していて、エンジンを豪快に引っ張り上げて、高回転で粘り強くパワーを絞り出す4カムエンジンの醍醐味を味わうのもエキサイティングだし、早めにシフトアップして不等間隔爆発をもたらす45度Vツインの鼓動感を全身で感じつつノンビリ流すのも気持ちがいい。トラクションが駆動輪にしっかりかかり、欧州の神経質な路面でも臆せずアクセルを開けていけるのは、ハーレーダビッドソンの大きなアドバンテージと言えよう。

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883Rやアイアン883と同じ12.5Lのフューエルタンクの上にはレーシングストライプが施され、ハンドルクランプにはアナログタコ&デジタルスピード一体型メーターがマウントされる。その装備内容と走りのポテンシャルは「ロードスター」の名に相応しいもので、特に883Rユーザーには大いに気になる存在となるだろう。

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ハーレーダビッドソンのラインナップのなかでも、スポーティさに磨きをかけたのがスポーツスターファミリーだが、もう1ランク上のアグレッシブさを味わいたいなら、このNEWロードスターは真っ先にオススメしたい。これまでハーレーダビッドソンに関心がなかった人たちにも、ぜひ体験していただきたいと思う。

■ハーレーダビッドソンジャパン 公式サイト
http://www.harley-davidson.com/