【ビデオ】火災に遭ったフェラーリ「308GTS」が、電気自動車として生まれ変わった!
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過去にはフェラーリ製のエンジンが搭載されたランチアアルファ ロメオマセラティ、そしてプライベーター系F1マシンなどがあったが、フェラーリに別のパワーユニットを載せてしまうとなると、話はまったく異なる。しかも完全な電気自動車(EV)に造り替えてしまった人たちがいる。南カリフォルニアにある会社が、1978年型フェラーリ「308GTS」のV8エンジンを、電気モーターとバッテリーパックに交換してしまったのだ。

ただし、何の問題もないイタリアン・スポーツカーを改造してしまったわけではない。このフェラーリは元々、燃料漏れによる火災に遭い、悲惨な状態のまま売りに出されていたもので、これをサンディエゴで主に電気自動車のコンバージョンを手掛けるElectric GTのエリック・ハッチソン氏が1万ドル(約107万円)で購入。EV West社に努める友人のマイケル・ブリーム氏と共に、この308GTSをEVとして見事に生まれ変わらせた。他人のガラクタが自分の宝物になった良い例である。

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HPEVS社製AC-51電気モーター3基と48個のバッテリーを搭載したこの"電動跳ね馬"は、最高出力465hp、最大トルク45.6kgmを発揮する。2.9リッターV8エンジンを搭載するオリジナルの「308」は最高出力200hp、最大トルク25kgm(米国仕様)で、後のバージョンで採用される燃料噴射や4バルブのシリンダーヘッドも付いていない。つまり、マラネッロの工場から出荷されたクルマの中でもあまりパワフルなモデルとは言えなかったわけだ。

大幅なパワーアップに対応するため、ハッチソンとブリームの両氏は新しいクラッチ、フライホイール、プレッシャープレートを取り付け、さらに(これが最も奇妙だが)ポルシェのトランスアクスルを逆向きにマウントした。多くのEVには従来のようなトランスミッションは装備されていないが、ハッチソン氏はこの組み合わせが効率とパフォーマンスの点で理想的であるとし、その根拠に2速ATを採用していた最初期のテスラ「ロードスター」(まだ開発途上だったが)や、5速トランスミッションを搭載するフォーミュラEのセットアップを挙げている。「強大なトルクがこのトランスミッションを介して駆動輪に伝えられるので、ドライバーはクラッチを踏んだりギアをシフトチェンジしたり、通常のEVにはないフェラーリならではの楽しさを味わうことができる」と彼は言う。

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48個の3.3Vリチウムイオン・バッテリーを搭載したことによる重量増を相殺するため、余分なコンポーネントは車体から極力取り外されている。そうしたコンポーネントの多くは、「Ferrari Chat.com」のようなフォーラムを通じてフェラーリ愛好家の手に渡った。その結果、車両重量はノーマルから68kgしか増えておらず、1回の充電で100マイル(約161km)の距離を走行可能だという。この航続距離は現在のEV化された多くのクルマを上回り、そして(ほぼ間違いなく)スタイルも抜群だ。実はこのプロジェクトが始まった2年ほど前から、Autoblogではその動向を見守っており、昨年10月には『Translogic』で試乗も行っている。この晴れて完成となったEV版308GT、その名も「308GTE」を見ていると、ハイブリッドのF1マシンや「ラ フェラーリ」が、見た目は最新型でも急に古めかしく思えて来る。



By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー