推定落札価格は約25億円! 希少なフェラーリ「275GTB/4 NART スパイダー」がオークションに出品へ
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フェラーリの「275GTS/4 NARTスパイダー」は同社が製造したコンバーチブルの中でも最も美しいモデルの1つだが、最も希少なモデルの1つでもある。生産台数はわずか10台に過ぎないからだ。その中でも最後に工場からラインオフした1台で、しかも欧州で唯一新車として販売されたNARTスパイダーが、5月14日にモナコで開催されるRMサザビーズのオークションに出品される。また、新車当時にグリージョ・スクーロと呼ばれるミディアム・グレーで塗られたNARTスパイダーもこの1台のみだったという。近年になって上品なダーク・レッド・メタリックで塗り直されているが、一般的に鮮やかな赤が好まれるフェラーリとしては珍しいことだ。そしてこの車両は全ての275の中でも最後から3番目に生産された個体だそうだ。

「NART」とはノース・アメリカン・レーシング・チームの頭文字を取ったものであり、このコンバーチブルの市販化は米国初のフェラーリ・ディーラーを開設したルイジ・キネッティの依頼に基づいている。彼は限定モデルとしてコンバーチブルを設定することで、275の売り上げ向上を目指していた。フェラーリは当初25台を製造する計画だったが、レースの血統をもってしても、購入者は10人しか見つからなかったという。1台目のNARTスパイダーは1967年のセブリング12時間レースに参戦してクラス2位に入賞した。また、このモデルは映画『華麗なる賭け』で主演のスティーブ・マックイーンが乗っていたことで憧れの対象ともなっている。

今回オークションに出品されるこのシャシー番号「11057」は、マドリード在住のスペイン外国人部隊のある大佐が1968年2月に新車で購入したもので、その後14年間をスペインで過ごしている。これを1980年代始めにスイス人のコレクターが買い取り、初めてレストアが施された。そして、1990年代中頃にイギリスへと渡っている。現在の塗装が施されたのは2001年で、インテリアのレザーがベージュに張り替えられたのは2009年だという。こうして徐々に姿を変えながらも、"Numbers Matching"(主要部分はオリジナルの状態が保たれている)のまま、エンジンは設計者の名前から通称"コロンボ"ユニットと呼ばれる最高出力300hpの3.3リッター4カムV型12気筒を維持している。

なお、同車の落札予想価格は、1,900万ユーロから(23.3億円)から2,300万ユーロ(約28.1億円)とされている。2013年に米国カリフォルニア州モントレーでRMオークションに出品された、これより明るいレッドをまとった1967年製のNARTスパイダーは、驚愕の2,750万ドル(現在のレートで29.5億円)で落札された。そのクルマは1,400万〜1,700万ドル(約15億〜18.2億円)程度になると予想されていたので、今回のオークションでは果たしてどこまで値が競り上がるか、5月14日のオークションに注目しよう。詳細が気になる方は、RMサザビーズの公式サイトをご覧いただきたい。



By Antti Kautonen
翻訳:日本映像翻訳アカデミー