コリン・マクレーが駆った伝説のスバル「インプレッサWRC1997」を手に入れるチャンス!
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19年前に製造されたスバルのクルマを買いたいとしたら理由は何だろうか? それはもちろん、"レースカーだから"だ。1990年代はスバルや三菱のラリーカーの全盛期で、今もスバル「WRX STI」や三菱「ランサーエボリューションX」がその伝統を受け継いでいる(後者はもうなくなってしまったが)。上の写真と同じスバル「インプレッサWRC1997」は、2009年に12万3,000ドル(現在のレートで約1,330万円)という価格で売買されたことがある。しかし、コリン・マクレーが1997年のモンテカルロ・ラリーで乗ったというこのマシンは、現在ドイツのMohr Klassik GmbHで28万ユーロ(約3,500万円)という値段が付けられている。2ヶ月ほど前にご紹介した、マクレーがグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで走らせたという「インプレッサWRC2007」を上回る高値だ。

競技用車は最初の競技に出場した瞬間から厳しい道をたどる運命にある。このスバルも例外ではなく、初出場した1997年のラリー・モンテカルロではアクシデントに見舞われ棄権を余儀なくされた。攻撃的なドライビング・スタイルで知られたコリン・マクレーが、凍った路上の右コーナーでこのインプレッサをスリップさせて森に突っ込み、車体の右側後方を潰したのだ。それにより後輪がうまく回らない状態になったが、なんとかマクレーはゆっくりとピットまで走らせた。その後はピエロ・リアッティの活躍のお陰で、カルロス・サインツのドライブするフォード「エスコートWRC」を1分近く引き離し、スバルはモンテカルロでの勝利を飾る。

翌年、このインプレッサは修復され、ポーランド人のラリー・ドライバー、クシシュトフ・ホロウィッツがステアリングを握りWRCのステージを走ることになる。それから10年の間に、2つのプライベート・チームの手に渡り、2008年から2009年の間に完全にレストアされたという。恐らくその時、然るべきオーバーホールが施されたのだろう。以来ラリーには出場せず、コレクターの下で完璧なテクニカル・コンディションで保存されている。

ラリーで次々と勝利を納めるスバルを見て育った世代や、ビデオゲームのコントローラーを手にバーチャルなグラベルのラリー・コースをスバルのラリーカーで闘いながら育った世代にとって、このクルマは1990年代のモータースポーツで活躍した車両の中でも極めて意義のあるマシンの1つだろう。20年前、部屋の壁にインプレッサ WRCのポスターを貼っていたような人に買われるのが好ましい。


By Antti Kautonen
翻訳:日本映像翻訳アカデミー