アストンマーティンの次期型「ヴァンテージ」、AMG製V8エンジンにマニュアル・トランスミッションの組み合わせも用意
例外はあるものの、メルセデス・ベンツのチューニング部門であるAMGは、マニュアル・トランスミッション(MT)のクルマを製造していない。MT車はアッファルターバッハの流儀ではないからだ。しかし、今後はAMGがアストンマーティンにエンジンの供給を行うに伴い、間もなく世界中の人々が、洗練された英国製ボディを纏った高性能なドイツ製エンジンを持つクルマを、3つのペダルで操ることができるようになりそうだ。これはたまらない。

米国の自動車雑誌『Car and Driver』が、アストンマーティンのアンディ・パルマーCEOに新型「ヴァンテージ」について確認したところによると、AMG製4.0リッターV8ツインターボ・エンジンを特徴とする次世代ヴァンテージを導入する際には、これまで通り、マニュアル・トランスミッションとオートマティック・トランスミッションの両方を用意すると明言したとのことだ。

このエンジンはメルセデスAMGのいくつかのモデルに採用されているが、その中で最も高出力なバージョンは最高出力510ps、最大トルク66.2kgmを発生する「メルセデスAMG GT S」に搭載されているものだ。この数字がアストンマーティンによってどこまで引き上げられるのか。想像するさらに楽しくなる。現行の「V8 ヴァンテージ S」は4.7リッター自然吸気エンジンが最高出力436ps、最大トルク50.0kgmを発揮する。新しいエンジンが過給器付きになることを嘆く方もいるだろうが、AMG製の最新型エンジンによって洗練され、さらにパワフルになるなら大歓迎だ。

Car and Driver』によると、AMG製のV8エンジンは今のところ、アストンのエントリー・モデルにのみ搭載される予定だが、このV8エンジン(と恐らく3ペダルのマニュアル・トランスミッション)が、一部のマーケット向けの廉価仕様として、他のモデルにも搭載される可能性もあるという。だが、もし仮にV8エンジンを積む「DB11」が製造されても、米国市場に導入されることはないだろう。また、このAMG製エンジンを搭載するアストンマーティンにどこの会社がマニュアル・トランスミッションを供給するかについても明らかになっていないのだが、現行ヴァンテージのようにトランスミッションを車体後部に搭載するトランスアクスル・レイアウトを採用するだろうと予測される。

自社工場外で製造された、AMG製エンジンを搭載するMT車については、全く前例がないわけではない。イタリアの少量生産メーカーであるパガーニは、チューニングを施したAMG製V12エンジンに3ペダルのマニュアル・トランスミッションを組み合わせたモデルをいくつか製造したことがある。だが、ヴァンテージのMT車は量産されると考えられる。AMG製エンジンに組み合わされるマニュアル・トランスミッションの数が(決して多くはないだろうが)増えるのは、実に喜ばしいことだ。


By David Gluckman
翻訳:日本映像翻訳アカデミー