メキシコシティ、11年ぶりに大気汚染が悪化しクルマの使用を再び制限
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街の大気汚染が深刻になると、人々の健康被害を軽減するために思い切った対策をとらなければならないこともある。先日、メキシコシティでは市内における大気汚染の悪化に伴い、クルマの使用に規制がかけられた。近年では、北京、ボゴタ、ニューデリー、ミラン、ローマ、パリなどの都市も同様の規制を行っている。

しかし、特にメキシコシティにとってこれは退歩を意味する悲しい結果だ。1992年、同都市は国連から世界最悪の大気汚染都市というレッテルを貼られたために、都市内のクルマの使用を制限して大気汚染の改善につとめた。光化学スモッグの検査や、旧式で排出ガスの多いクルマの廃止などを義務化したことで、ここ11年間はメキシコシティで大気汚染警報が発令されることはなかった。しかし昨年、政府がその規制を緩めてしまったのだ。その結果、都市内を走るクルマは140万台も増加したと見積もられている。

メキシコシティは四方が山に囲まれた盆地であり、その地形によって汚染された空気が街にとどまってしまう。今月14日(現地時間)には大気中のオゾン濃度が許容数値の約2倍に達し、人間の呼吸器に被害を及ぼすため、同都市は2005年以来11年ぶりに大気汚染警報を発令し、100万台以上のクルマを対象に通行を禁止する規制をかけた(皮肉にも、同都市で電気自動車によるレース、フォーミュラE開催されてから間もなくのことだった)。

政府は大気汚染が改善するまで工場の閉鎖までをも検討。同都市では市民に不満なくクルマの使用を控えてもらうために、無料でバスや地下鉄を利用できるサービスを実施した。だが、ミゲル・アンヘル・マンセラ市長によると、規制に従ったクルマは約80万台に過ぎなかったという。そして大気汚染警報は解除されないまま4日が過ぎ、ついに17日には警戒レベルが上がってしまった(オゾン濃度は高まった状態のまま)。

環境・天然資源相のラファエル・パッチアーノ氏によると、メキシコシティはさらなる危機の誘発を避けるために大気汚染対策の再考を行うとのことだ。


By John Beltz Snyder
翻訳:日本映像翻訳アカデミー