【ビデオ&フォト】マツダ、電動開閉式ハードトップを備える「ロードスター RF」を初公開!
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マツダは4代目「ロードスター」に開閉式ハードトップを備えた「ロードスター RF」を追加し、ニューヨーク国際自動車ショー前夜のイベントで初公開した。

初代と2代目にオプションとして用意された古典的な取り外し式ハードトップから、3代目では電動格納式ルーフを装備した「ロードスター RHT」に進化し、そして4代目となる現行モデルには、ルーフを閉じたときに美しいファストバック・クーペのスタイルになる新たな開閉式ルーフが採用された。

2名の乗員の頭上(と背後)のみが開くこのオープントップは、ポルシェによって広く知られたことからその車名を取って俗に「タルガトップ」と呼ばれる形式だが、マツダでは"RF"、「リトラクタブル・ファストバック」と呼称する。ロードスターのそれは文末の動画をご覧になればお分かりいただけるように、単純にトップのパネルを着脱するのではなく、電動でコクピット背後のファストバック部分がせり上がり、その下に分割されたルーフトップを収納するという凝ったものだ。この一連の動作はスイッチ操作のみで完了し、走行中でも10km/h以下であれば開閉が可能。また、3分割されたルーフとバックウインドウ各部の動きをそれぞれオーバーラップさせることで、世界最短レベルのルーフ開閉時間を実現したという。オーブン時にはアクリル製エアロボードが後方から巻き込む風を抑制し、逆にクローズ時にも背後のウインドウのみを開けて排気音を楽しむことができる。



今回、ニューヨークで公開された米国仕様の「MX-5 RF」は、新型クロスオーバーSUV「CX-9」から導入するという新開発のボディ・カラー「マシーングレー」で塗られていた。この色は「機械の持つ精緻な美しさの追求」をテーマに、「力強い陰影のコントラストと表面の緻密さを両立することで、あたかも鉄のインゴットから削り出したかのようなリアルな金属質感を実現」したとマツダは言う。ルーフはクーペ・スタイルを際立たせるボディ同色か、またはトップのみがピアノブラックになる(ただし設定は市場や仕様によって異なる)。



ソフトトップのロードスターと比べると、全高が5mm高いだけで、荷室容量はまったく変わらないという。電動開閉式ルーフの装備によってどれだけ重量が増加するかについては、今のところ発表されていないのだが、それを気にする人にはソフトトップに乗ってもらいたい、ということだろう。ロードスター開発主査の山本修弘氏によれば、ハードルーフを持つロードスターは「クローズドの状態で運転していただく機会が多く」なるということで、「オープンカーだから屋根をすべて収納しなければならない」という従来の考え方に捉われることなく、「クローズド時の美しいスタイルとオープン時の爽快なオープンエアフィールを両立する、という逆転の発想で取り組みました」と語っている。

3分割式ルーフのフロント部とミドル部には、内側に吸音タイプのヘッドライナーを装着し、さらにリア・ホイールハウスにも遮音材が追加されているという。これにより、クローズ時にはキャビンの静粛性が大幅に向上したそうだ。インテリアにはオーバーン(褐色)カラーのナッパレザーが使われ、シートやドアトリムにグレーのステッチが施される。画像がないのが残念だが、メーターパネル横に備わる4.6インチTFTカラー液晶には、ルーフ開閉動作中のアニメーションが表示されるそうだ。



「ソフトトップモデルが正統ライトウェイトスポーツとしての魅力をストイックに研ぎ澄ましたものだとすれば、このクルマは誰もが美しいと思える"小さな"スポーツカーの姿を、 何ものにも捉われることなく素直に表現したもう一つのロードスターです」と、チーフ・デザイナーの中山雅氏は語る。「4代目ロードスターにハードトップを与えるなら、誰が見ても美しいと感じるのはルーフからリアエンドへスムーズにラインがつながるファストバックスタイルしかない。私にとってその想いは必然であり、迷いはありませんでした」という。しかし、我々も容易に想像できるように「その新しい楽しさと美しいファストバックスタイルを両立させることは、これまでの考え方のままでは到底不可能と思えること」であり、「発想の新しさに加えて、設計や生産技術のエンジニアたちとの緊密な連携、チーム一丸となっての情熱と挑戦心がなければ、このプラン、 このデザインは絵に描いた餅で終わっていたかもしれません」と述べている。これについて、山本主査も「ロードスター RFは、すべての造り手が高い志を持ってさらなる進化に挑戦し続ける、マツダにしか成し得ないクルマだと自負しています」と語っている。



3代目ロードスターの販売終了時には、リトラクタブル・ハードトップ・モデルがその販売台数の半数以上を占めていたという。ということは、おそらく4代目ロードスターでも潜在的購入者層の半分以上の人々が、このロードスター RFの登場を待ち望んでいたのではあるまいか。少なくともスタイルに関しては、我々の期待(というか予想)を超えていた、と言っていいだろう。そして誰もがじりじりしながらこう思っているはずだ。"実際に乗るとどうなのか?" とにかく軽やかさが印象的だったソフトトップのロードスターから、失われたものを補ってさらに余りあるはずの魅力を、1日も早く体感してみたい。