配車サービスのUberが、少なくとも10万台のメルセデス・ベンツ「Sクラス」を購入!?
Related Gallery:2014 Mercedes-Benz S-Class

配車サービスの巨大企業であるUberは、乗客とクルマの所有者をつなぎ合わせるシステムで有名だ。つまり、ドライバーが使う車両を、Uber自身が所有しているわけではない。それなのに、同社がダイムラーから少なくとも10万台ものメルセデス・ベンツ「Sクラス」を購入したという驚くべきニュースが報じられた。一体どういうことだろうか? このニュースを掲載したドイツのビジネス誌『Manager Magazin』は、2社の決定的な類似点を指摘している。それは、自動運転車の実現にかなりの額を投資していることだ。

Uberは昨年、優秀なソフトウェア・エンジニアを求め、カーネギーメロン大学から多くの人材を引き抜いた。このピッツバーグの権威ある大学は、やや奇妙なターゲットに思えるかもしれないが、同大学のナショナル・ロボティクス・エンジニアリング・センターには、技術的なノウハウが豊富に蓄積されている。クルマが自分で"見たり"、舵を切ったりできるようにする技術だ。そしてUberは提携が報じられていた同大学から、最終的におよそ40人の研究者を引き抜いたのだ。

一方のメルセデスは、ここ数年市販モデルに自動運転技術を搭載しようと努力を重ねている。Sクラスの「インテリジェントドライブ」は、ドライバーが操作することなく駐車もできるし、渋滞でも他車と安全な距離を自動的に保って走行する。Uberの技術者がさらに進んだ自動制御システムを、このメルセデスのフラッグシップ・モデルに加えるようとする可能性もある。しかし、そのためにはメルセデスが嫌がるレベルのアクセスにまで踏み込まなければならない。

ここで、Uberが多数のメルセデス車を購入したことが重要になってくる。10万台のSクラスを1ヶ所に売るなんて正気の沙汰とは思えない。これは、Sクラスの年間販売台数に匹敵する数字なのだ。ちょっと計算してみよう。Uberがこの大量のクルマを、1台8万ドル(約894万円)で購入したとすると(米国における希望小売価格は9万5,000ドル。ちなみに日本での希望小売価格は998万円から)、その総額は80億ドル(約8,940億円)になる。これはダイムラーが2015年に売り上げたメルセデス車の総額の8%に相当する。要するに、Uberは単にこの素晴らしいクルマを買おうとしているのではなく、おそらくドイツの高級車メーカーに対し、影響力の獲得と秘密情報の開示を求めようとしているのだ。


注:この記事は、Autoblogの姉妹サイト 『Engadget』に掲載されたChris Velazco記者による記事を転載したもの。

By Engadget
翻訳:日本映像翻訳アカデミー