大気汚染を減らすため、ミラノでは自転車通勤者に奨励金の支給を検討
世界中の大都市は自動車、特にディーゼル車による深刻な排ガス汚染の問題に直面しており、この難題解決にはクリエイティブな手段が求められている。イタリア政府は環境に優しい移動手段を普及させるために3,500万ユーロ(約44億円)を用意。これを巡って、各都市では争奪戦が繰り広げられている。ミラノでは、大気汚染との闘いが続いており、この対策として自転車シェアリングなどの取り組みにより、自転車の利用を促している。市の交通担当であるミラノ市議会議員のピエルフランチェスコ・マラン氏は、政府の予算を使い、自転車通勤者に奨励金を支払うことで自動車による通勤を減らしたい考えだ。

フランス国内やイタリアの小さな町マッサローザでは、すでにそのような取り組みを実施している。ミラノもこれに続いて、クルマではなく自転車での通勤を選択した人に奨励金を支払う策を検討中だ。課題としては、本当に自転車で通勤しているかを確認するためトラッキングを行う必要があること、ミラノの街は渋滞が激しく交通案内が難しいこと、さらに、この程度の金額ではミラノが期待するような大きな効果を得られないことが挙げられる。さらに会社が無料の駐車場や社用車を提供していること、人々の自動車通勤の習慣が強く根付いてしまっていることが、自転車通勤の普及への大きな妨げとなっている。

今のところ、交通インフラの整備が自転車の利用を促す最善策であり、奨励金の支払いに加えて価値のある施策だと思われる。デンマークの首都コペンハーゲンの例を見てみよう。自転車通勤をする理由として、お金のためと答えた人はたったの6%、環境保護のためと答えたのはさらに少ない1%だった。一方で56%の人が、最も楽で早い交通手段だからと回答している。ここから分かるように、大気汚染が深刻な街の政治家に求められるのは、環境のために奨励金をばらまくことではなく、人々にとって便利で価値のある方法を実現すること。それが結果的に環境保護につながるのだ。問題が山積みのミラノにおいて、マラン氏はわずかな予算と専門家の助けを借り、自身の自転車通勤者増加計画を成功させられると信じている。


By John Beltz Snyder
翻訳:日本映像翻訳アカデミー