HARLEY-DAVIDSON LOWRIDER S
大排気量エンジンを唸らせ、鉄の車体を豪快に寝かし込む。スポーツマインドをこれほどにまで刺激するハーレーは久々だ。まさに待望、そして「お帰りなさい」とも言いたい。これぞハーレーの「FX」だ。ヘルメットの中で頬は緩みっぱなしだった。

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ステップ裏のバンクセンサーはコーナリングの度に路面を擦り、もうほとんどなくなってしまっているし、右側のトミーガンマフラーも下段のサイレンサー部が地面に接触し、塗装が剥げてしまった。ハーレーのビッグツインモデルで、こんな走り方を延々として楽しいのだから、ローライダーSは嬉しい変わり種と言える。

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しかし、FLのビッグツインエンジンに、XLスポーツスターの足まわりを組み合わせ、スポーティに走ろうと考え出したのが「FX」のそもそものスタート。FL+XL=FX という単純明快な発想で生まれたファクトリーカスタムなのだから、そういう意味では原点回帰とも言えよう。

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あぁ、申し訳ない......。順序立てて説明しなければならないのに、言いたいことがいっぱいあって好き放題に書き始めてしまった。これはハーレーダビッドソンのニューモデル、ローライダーSのファーストインプレッションだ。

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試乗したのはアメリカ・カリフォルニア。ロサンゼルス近郊の市街地、ハイウェイ、そしてワインディングをタップリと走った。3月上旬におこなわれた現地のワールドプレミアム試乗会に乗り込み、日本人ジャーナリストとしては最速の試乗となった。つまり、このインプレッションレポートは最速レポートである。

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ノースハリウッドのリゾートホテルが試乗会の会場となったが、その駐車場でローライダーS の実車を初めて目の当たりにした。まず感じたのが、ビキニカウルやトールバーなど最近のカスタムトレンドであるクラブスタイルバイクを意識していること。前後サスペンションはストロークがしっかり確保され、見るからに元気よく走りそうだ。

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空冷Vツインは、111.1mmのストロークをそのままに、ボアを101.6mm にまで拡げ、ついに排気量は1801ccにまで上がった。この110キュービックエンジンは、受注生産モデルのCVOにしか搭載されてこなかったが、昨秋、ファットボーイS、そしてソフテイルスリムSに積まれ、上級機種Sシリーズとしてデビュー。このローライダーSは、Sシリーズの第3弾という位置づけになる。

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先行デビューの2台はソフテイルモデルで、より軽量で俊敏に走るダイナフレームにこの最強エンジンが積まれたのだから、走りが素晴らしいのは想像に容易い。

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低回転から力強いトルクを発揮するのは、ハーレーのビッグツインの持ち味だが、これはもう次元が違った。アクセルをワイドオープンすれば怒濤の加速を味わえ、ストップ&ゴーの繰り返しが楽しくて、市街地であるにも関わらずついつい走りが過激になってしまう。

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粗悪なアスファルトに砂が浮き、見るからにスリッピーなロス近郊のストリート。「このへんは当たり屋がいるから気をつけろ」と、現地の先導役がアドバイスしてくれるが、海外メディアの連中はとにかくよく飛ばす。信号が青に変わった途端、ホイールをスピンさせて吹っ飛んでいくから、強力な1.8リッターエンジンを持て余すことはない。埃が舞い、放ったらかしの路上駐車のクルマが目立つ憂鬱な路地裏でも、この集団に因縁をつけてくる命知らずはなかなかいないだろう。自分も負けじとVツインを一気に引っ張り上げ、リアタイヤに悲鳴をあげさせた。

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ハイウェイに上がると、アクセルはますます開け放題となった。制限速度75mph(およそ121km/h)は、トップギヤ6速でたった2800rpmでこなしてしまうから、最大トルクを発揮する3500rpmまでまだまだ開けたくなる。ビキニカウルは小さいながらもライダーへの走行風の直撃を低減させ、このくらいの速度域では乗り手は何ともない。サスペンションも小さな凹凸などお構いなしで、乗り心地がいい。ハイスピードで大きな段差を乗り上げても、ハンドルが振られるようなことはないから安心して追い越し車線をリードできる。

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ダイナファミリー初採用となった電子制御式のオートクルーズコントロールは、こちらの広大な道でこそ威力を存分に発揮した。スイッチはツーリングファミリーや他のSシリーズ同様にハンドル左にあり、簡単に好みの速度をキープできる。

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これは気持ちがいいと、すでに満足しそうになっていたが、試乗コースのメインはワインディングだった。ロスの飛ばし屋たちがこぞって走りにくる州道2号線、通称「エンジェルス・クレストハイウェイ」だ。

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そこはもうバイクやスポーツカーにとってはパラダイス。こんな理想的な山岳路がロスのダウンタウンから、たったの小1時間であるなんてなんと羨ましいことか。そりゃあ、モーターカルチャーが昔から根づくわけだ。

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大小さまざまなコーナーが延々と続き、気候を含め、スポーツライディングを楽しむにはこれ以上はないのではないかと思えるような絶好のロケーションとコンディションのなか、ローライダーSの運動性能の高さを心底感じた。

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とにかくハイペースでガンガン走る。コーナリング中にギャップに乗り上げても、衝撃を無難に吸収し、ラインが乱れるようなことはない。7〜8人ほどで走っていたが、気がつけば先頭集団には自分を含め3人だけしかいない。休憩のたびに「オマエの走りはアメージングだ!」と先導役が褒めてくれるが、ローライダーSは、こうやってスポーツライディングを仲間と楽しめるオートバイなのだ。ハーレーでもっとアグレシッブに走りたい! そう思っていた人にオススメしたい。

■ハーレーダビッドソンジャパン 公式サイト
http://www.harley-davidson.com/