日産とBMW、英国のEU離脱に反対の立場を表明
日産BMWは、 英国のEU離脱に反対の立場を表明している。脱EUは英国の希望でありながら自動車メーカーにとっては脅威でもある。なぜなら、英国の国民投票の結果次第では、両社の英国における投資に損失が出る可能性があるからだ。現在のところ、英国民の意思に基づいたあらゆる決定事項は尊重されるべきとの立場を取っている両社ではあるが、今回の表明からは、あらゆる計画が台無しになるのを恐れている本心が感じ取れる。

日産のカルロス・ゴーンCEOは、「我々にとって、未確定要素の積み重ねよりも安定した状況の方がより好ましい。安定こそが雇用や貿易、コストにとって最も有用な状況だ」と述べ、問題が単純なものであることを指摘した。英国が脱EUを実行したからと言って、日産がイングランド北東部にあるサンダーランド工場を閉鎖することはないだろう。しかし、将来的な計画を変更する可能性はあり、英国がEUを離脱することで、コストの上昇や市場競争の苛烈化が懸念される。

日産は製造、技術、デザイン職として英国内で8,000人を雇用しており、さらにディーラーや部品供給元として間接的に雇用している人数は3万2,000人にのぼる。これらの人々によって50万台ものクルマが生産され、そのうち80%が輸出されていることを鑑みると、関税が価格や販売にどれほど影響するかは容易く想像できる。

もしEUから英国が離脱したら、英国産の日産車をEU圏内に輸入する際には、外国製品として(既に日本の他メーカーには課せられているように)関税が課せられることになるのだ。

英国で6月23日に行われる国民投票の結果を注視している自動車メーカーは日産だけではない。BMWも同じく英国のEU離脱に反対の立場だ。既に同社はMINIロールス・ロイスの社員に対して、英国の脱EUが実現すれば、関税障壁によってコストの増大や価格の高騰が懸念されることを警告している。BMWのハラルド・クルーガー取締役会会長は、ジュネーブ・モーターショーの会場で「英国の脱EUを是とする国民の1票は、MINIやロールス・ロイスを含めた英国の自動車ブランドの未来を曇らせるだろう」と語っている。

EU離脱の動きは英国だけの問題ではない。もちろん英国民の意思に基づいたあらゆる決定事項は尊重されるべきだが、実際のところ、ゲーム中に相手プレイヤーに手札を変更されたくないのと同じで、自動車メーカーが反対の立場を表明するのは当然のことである。


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By Alessio Frassinetti
翻訳:日本映像翻訳アカデミー