ホンダは、新型燃料電池自動車(以下、FCV)「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」を3月10日に発売を開始した。

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同日開催された発表会の冒頭、代表取締役社長、八郷隆弘氏は挨拶し、
「来る水素社会に向けて水素を『 つくる・使う・つながる 』社会の実現に向け、インフラ整備も含めた研究開発を進めていることやホンダが目指す将来の水素社会のイメージ」を語った。

創業依頼ひとびとの生活に役に立つ製品を技術で実現し、提供したいという思いのもと、数々の商品を生み出してきたというホンダ。
環境への取り組みに対してもこの姿勢は変わらず、"地球規模での気候変動"といった課題の解決策として、水素エネルギーにいち早く着目し、水素エネルギーが人々の生活に役立つという信念を持って取り組んできたという。

HONDA CLARITY FUEL CELL
「水素はさまざまなエネルギー源から製造ができ、輸送や貯蔵にも適しており、燃料電池自動車(FCV)はガソリン車に置きかわるモビリティとして有望であり、気候変動にかかわる課題にも答えることができると考えている」と八郷氏は語る。
それを実現すべく発表されたのが、このFCV「クラリティ フューエル セル」だ。

HONDA CLARITY FUEL CELL
ホンダ独創の技術により燃料電池パワートレインの小型化を図り、ボンネット内に収めることに成功、セダンタイプのFCVとして世界で初めて5人乗りを実現した。

HONDA CLARITY FUEL CELL
70MPaの高圧水素貯蔵タンクを搭載し、パワートレインの高効率化や走行エネルギーの低減により、一充填走行距離(参考値)を従来比で約30%延ばし、ゼロエミッションビークルで世界トップクラスの約750kmを達成した。これにより、毎日の使用からロングドライブまで、日常のクルマとしての実用性が大幅に向上。
一回あたりの水素充填時間は3分程度と、ガソリン車と変わらない使い勝手を実現したという。

HONDA CLARITY FUEL CELL HONDA CLARITY FUEL CELL
さらに「先進的魅力」として、力強さと流麗さを併せ持ったエクステリアデザイン、最高出力130kWの高出力モーターによる電動車ならではの静かで力強くなめらかなドライブフィールを実現。

クラリティ フューエル セルの導入初年度は、団体・企業等に対しリース展開から始め、知見を積み重ねる。
1年半後をめどに、個人への販売も行う予定だ。
また、2016年中には米国や欧州での展開を予定している。

今回のクラリティ フューエル セルの開発責任者である清水 潔 氏からは、開発の経緯や今回の車両のポイントが語られた。

冒頭、「Co2削減に貢献できるFCVを代表とするクリーンカーは、普及しなければ意味がない」と考え、FCV普及を目指した開発陣の努力が語られた。

環境にやさしいだけでなく、以下の項目を備えることが重要と考えたという。
・5人乗りでゆとりのある居住性
・一充填走行距離の拡大
・エンジン車と変わらない使い勝手
・十分なクルマとしての魅力


今回の開発では、パワートレインをボンネット内に搭載することをめざし、パワートレインの高さをおさえることから考えたという。
まず、モーターを90度回転しパワーコントールユニットを小型化して一体化、モーターの上に空間を作った。
そしてそこにスタックを搭載するが、従来モデルのままでは大きすぎて収まらず、大幅な燃料電池スタックの小型化に取り組んだという。


燃料電池は数100枚のセルが積み重なって発生する。
1セルあたりの発電性能を1.5倍に高めることで同等の出力でもセルの数を30%削減し、小型化を図った。
また、セル構造の改良によりセルを20%薄型化し、さらなる小型化を実現したという。

このような進化により燃料電池スタックとしては、従来モデルより33%の小型化を実現することに成功。
スタックとコンパクトな駆動モーターユニットとあわせて、パワートレイン全体でV6エンジン並みに小型化しボンネットの中に搭載することが叶った。


こうしたことで、バッテリーと水素タンクのレイアウト自由度が増した。
これは、人間のためのスペースは最大限にという「マンマキシマム」、クルマのスペースは効率的にという「メガミニマム」というホンダの「M・M思想」の追求によるものだ。

結果、大人5人がゆったりと乗れるキャビンスペースとゴルフバック3つがしっかり入るFCVセダントップクラスのトランク容量を確保しながら、十分な水素タンクの容量を確保できた。

HONDA CLARITY FUEL CELL
エクステリアデザインにも力が入っていた。
空力性能を追求しながらセダン車としてグローバルな存在感を実現することを目指した。
HONDA CLARITY FUEL CELL
空力性能は、ホディ形状による性能の良さに加え、タイヤやホイールハウスから発生する空気の乱れをおさえるエアカーテン、タイヤカバーを装備、空気の流れを徹底的に考えたという。リアカーテン用のエアダクトを設置したのは世界初だ。


水素で走り、水しか出さない、地球に優しいクルマだけでなく乗っている人にも優しいことを目指した、その結果が今回お披露目となった「クラリティ フューエル セル」なのだ。

発表会では、この他にも説明は続いたが、パッケージ型スマート水素ステーションや可搬型外部給電器の紹介は後日説明したい。

また、Hondaウエルカムプラザ青山1階では、3月11日(金)~14日(月)まで、『CLARITY FUEL CELL 特別展示』(http://www.honda.co.jp/welcome-plaza/event/2016/20160311/)を開催している。

実車はもちろんのこと、開発ポイントのパネル展示やカットモデルなどを間近で見ることが可能だ。
興味をもった読者はこの週末にぜひ足を運んでみていただきたい。


■リース計画台数(国内・初年度):200台程度

■主要諸元および価格


■ボディーカラー(全3色)
_プレミアムブリリアントガーネット・メタリック(ルーフカラー:ブラック、インテリアカラー:プラチナムグレー)
_ホワイトオーキッド・パール(ルーフカラー:ブラック、インテリアカラー:プラチナムグレー)
_クリスタルブラック・パール(インテリアカラー:ブラック)

*ホワイトオーキッド・パール:消費税込み43,200円高
*プレミアムブリリアントガーネット・メタリック:消費税込み64,800円高


■ホンダ 公式サイト
http://www.honda.co.jp/