Related Gallery:Suzuki Baleno

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スズキは9日、新型コンパクト・ハッチバック「バレーノ」を発表した。

スズキがいわゆるBセグメントにグローバルカーとして投入するバレーノは、2015年のジュネーブ・モーターショーで公開されたコンセプトカー「iK-2」の市販モデル。すでに昨年9月にはインドのマルチ・スズキ・インディア社で生産が始まっており、彼の地では翌10月より販売されている。昨年の東京モーターショーにほぼ量産モデルが展示されていたので、ご覧になった方も多いだろう。日本市場にもインドで生産された車両を輸入して販売するそうだ。ちなみに"BALENO"とはイタリア語で「閃光」という意味。「コンパクトカー市場においてキラリと光る存在になって欲しい」というスズキの願いが込められているという。



Bセグメント用に新開発されたプラットフォームを初めて採用するバレーノのサイズは、全長3,995mm × 全幅1,745mm ×全高1,470mm。同じBセグメントに属する現行型「スイフト」と比べると145mm長く、50mm幅広く、しかし30mm以上背が低い。見た目の印象もその通りと言える。ホイールベースは90mm長く2,520mm。このディメンションは車内にも反映され、スイフトよりも室内長(1,975mm)は70mm、室内幅(1,440mm)は55mm広いが、室内高(1,175mm)は50mm低い。特長の1つである荷室容量はラゲッジボード上段装着時でも320リッターと、スイフトを190リッターも上回る。これにより、9.5インチのゴルフバッグやベビーカーを横置きに積載できるという。このフロアに備わるボードを外せば、さらに容量が拡大できる。




この新開発ブラットフォームの採用をはじめ、エンジンや足回りまで徹底的に軽量化したことで、車両重量は自然吸気エンジンを積む「XG」グレードで910kgと、一回り小さなスイフトより50kg以上も軽い。サスペンションはフロントがストラット式、リアがトーションビーム式とお馴染みの形式だが、前後ともスタビライザーを装着し、サスペンション・フレームと車体メンバーの締結箇所を増やすことで剛性を上げているという。グローバルカーとして世界各国で販売されるバレーノは、スズキによれば「欧州で徹底して走り込み、応答性が高く安定感のある操縦性とロングドライブでも快適でしなやかな足回りを追求」したそうだ。これまで欧州仕込みのスズキ車は押し並べて評価が高いので、乗るのが楽しみ。スズキの方によれば、サスペンションの設定は日本で販売されるモデルも欧州向けと変わらないそうだ。ただし、同じ欧州仕様の足回りを持つ「スイフトRS」の"キビキビ感"に対し、バレーノは同乗者も快適にゆったりとロングドライブを楽しめる味付けになっているとのこと。






エンジンは2種類が用意される。「XG」に搭載される自然吸気1.2リッター直列4気筒「デュアルジェット」エンジンは、スイフトや「イグニス」「ソリオ」など、スズキの小型車では既にお馴染み。スペックも共通で、最高出力91ps/6,000rpmと最大トルク12.0kgm/4,400rpmを発生する。トランスミッションはこれもお馴染みのCVTと組み合わされ、JC08モード燃費は24.6km/Lと発表されている。なお、ソリオ等に搭載されている「マイルドハイブリッド」だが、現時点では日本仕様のバレーノには用意されない。これについては「市場の状況を見て、お客様の声を聞きながら対応したい」と鈴木俊宏社長は仰っていた。



そして新開発された1.0リッター直列3気筒直噴ターボ「ブースタージェット」エンジンは、最高出力111ps/5,500rpmと最大トルク16.3kgm/1,500〜4,000rpmという、自然吸気なら1.6リッター・エンジン並みの力強さを誇る。こちらは6速ATを採用し、JC08モード燃費は20.0km/L。ただし、使用燃料はハイオク(無鉛プレミアム)指定で、シリンダー数は減っても車両重量は自然吸気モデルより40kgほど重い950kgとなる。

このターボ・エンジンを搭載する「XT」は、ディスチャージ・ヘッドライトや本革巻ステアリング・ホイール、パドルシフトなどが標準装備となり、さらに本革シート表皮やフォグランプ、より多くの情報を表示するカラーの4.2インチ・マルチインフォメーションディスプレイ(標準はモノクロ)、助手席ヒーター(運転席ヒーターは全車標準)などを含むセットオプションも用意される。ターボのXTは、16インチ・アルミホイールが標準装備で、185/55R16サイズのタイヤを履くのに対し、自然吸気のXGはホイールキャップ付きスチール・ホイールと175/65R15タイヤが標準装着となる(展示車はどちらもブリヂストンの「エコピア」を装着していた)。




スズキの方にお訊きしたところ、マニュアル・トランスミッションの導入については「考えていない」とのこと。また、スイフトに設定されている「スポーツ」のようなモデルの計画もないそうだ。オプションのカラーマルチインフォメーションディスプレイには、走行時の車両に掛かるG(重力加速度)や、アクセルとブレーキの操作状況、エンジンが発生しているパワーとトルクをリアルタイムで表示するという、スポーツ走行向けともいえる機能があるのでちょっと残念。ただし、ターボ・モデルに関してはよりダイレクトにトルクが味わえるようにパドルシフト付きのトルクコンバーター式6速ATを採用したそうだ。一方の自然吸気モデルには燃費を重視してCVTが採用されているという。なお、どちらのモデルも前輪駆動のみであり、バレーノに4輪駆動の設定はない。

安全機能としては、ミリ波レーダー方式で前方車両を検知する衝突被害軽減システム「RBS II」が全車に標準で装備される。また、このミリ波レーダーを使って先行車との車間距離を保ちながら自動的に加速・減速して追従走行を行う「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」も全車に標準装備となる。この両機能にセットで対応するため、ソリオにオプション設定されている歩行者や車線も検知可能な「デュアルカメラブレーキサポート」ではなく、「エスクード」と同様にミリ波レーダーを使ったシステムが採用されたとスズキは説明する。つまり、シティコミューター的なAセグメント車のソリオと違い、バレーノは高速道路上のクルージングにおける利便性を採ったというわけだ。本来なら、デュアルカメラとミリ波レーダーの両方を搭載し、歩行者検知もACCも備わるのがもちろん望ましいのだが、それはやはり、このクラスではコスト的に難しいらしい。



内外装のデザインは、水流や波紋を表現した「Liquid Flow」をテーマとし、凝縮したエネルギーを放出させる様をイメージしたという。スイフトよりワイド&ローなエクステリアは、傾斜したリア・ウインドウが特徴的。外装色はボディの陰影が強調されるキャラクター・カラーの「プレミアムシルバーメタリック」をはじめ、全て国内初採用となる7色が用意される。

インテリアとシート表皮は、標準のファブリックもオプションの本革も、ちょっと地味なブラックのみ。これにシルバーの加飾が施されている。欧州仕様では、Appleの「CarPlay」対応も発表されていたが、日本仕様はスズキの方によれば「お好きなユニットを選んでいただきたいので」オーディオレスが標準となる。ステアリングにはチルトだけでなくテレスコピック調整機能も付く。



バレーノが生産されるインドのマネサール工場は、スズキによれば日本と同レベルの製造品質が可能な最新鋭設備だそうだ。ただ、スズキの方からお聞きした話によると、生産設備による品質の問題よりも、作業員があまり気にせずに細かなキズを付けてしまうことが多くて、そちらの改善の方が大変だったとか。もっとも、日本に運ばれたバレーノは湖西工場でしっかり検査を受けるので、購入を考えている方はご安心を。



自然吸気エンジンを積む「XG」は本日3月9日に発売となり、消費税込み価格は141万4,800円。 遅れて5月13日に発売される「XT」は161万7,840円。「XT」に用意されるセットオプションは11万160円となっている。詳しい情報は以下のURLから公式サイトをご覧いただきたい。

スズキ 公式サイト:バレーノ
http://www.suzuki.co.jp/car/baleno/