【ジュネーブ・モーターショー】スパイカー、新作「C8 プレリエーター」を引っ提げて復活!
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スパイカーの新作「C8プレリエーター」が、ジュネーブ・モーターショー 2016で公開された。事前に我々が期待していたようなクルマではなかったが、しかし必ずしもそれが悪いというわけではない。

スパイカーは、F1進出とサーブ再建の両方で失敗を経たのち、電動航空機に主力を置く米国のVolta Volaré社と合併して経営破たん状態から脱却。共に航空機事業にルーツを持つ新パートナーとの提携から、スパイカーは電気自動車を中心に開発を行っていくのではないかと思われていた。また、今後はそうなっていく可能性は十分にある。だが、差し当たり今回発表されたC8 プレリエーターには、これまで通りガソリン・エンジンが搭載されていた。そして他にも多数のアップデートが施されている。

2000年に発表された最初のC8によって、スパイカーの存在は広く知られるようになり、それからしばらく時を経た後、2009年にその発展形である「C8 エルロン」が登場した。その系譜を引き継ぐ新型モデルのC8プレリエーターは、同社のコア・モデルとして2度目の大掛かりな再始動ということになる。内外装のスタイリングに変更が施されただけでなく、メカニカル面もアップデートを受けた。中でも最大のニュースは、引き続き採用するアウディ製4.2リッターV型8気筒にスーパーチャージャーが追加され、最高出力525ps/6,800rpm、最大トルク61.2kgm/3,500rpmに向上したことだろう。ミドシップに置かれたエンジンが発生するこのパワーはゲトラグ製6速MTまたはZF製6速ATを通じて後輪に伝えられ、0-100km/hを3.7秒で加速、最高速度は322km/hに達するという。リチューンされた前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションはロータスから供給を受け、ブレーキはAPレーシング製。スティール製ドリルド・ローターが標準だが、オプションでカーボン・セラミック製ディスクも用意される。ミシュラン製のタイヤは前235/35 ZR19、後295/30ZR19。



スパイカーに注目してきた誰もが言うように、C8はその速さと少なくとも同じくらい、スタイルに特長があるクルマだ。それは明らかに彼らも意識しており、速さの点ではパワートレインがアップグレードされたのと並び、スパイカーの職人が手掛ける内外装もアップデートを受け、新しいC8 プレリエーターでは一段と魅力が増している。オリジナルのC8にあった航空機のプロペラを思わせるディテールや、C8 エルロンに見られたタービンを模ったインテークは姿を消し、代わってNACAダクトが採用された。グリルからディフューザーにかけて、全体的に空気抵抗を低減する合理的なデザインに刷新されている。また、スパイカー独特の細部まで手が込んだインテリアもさらに磨きが掛けられており、きっとジュール・ヴェルヌ(SFの開祖として知られる19世紀後期に活躍したフランスの小説家)も即座にくつろげるに違いない。ヘッドアップディスプレイやiPhone接続対応インフォテインメント・システムなど、現代的なアップデートも施されている。オールアルミ製スペースフレームとカーボンファイバー製ボディを組み合わせた2シーターの車体は、サイズが全長4,628mm × 全幅1,953mmt × 全高1,202mmで、ホイールベースは2,725 mm。乾燥重量は1,390kgと発表されている。

だが残念なことに、最新のスパイカーに乗れる人は限られている。この自動車界の高級ジュエリーは、欧州における税抜き車両価格が32万4,900ユーロ(約4,060万円)から。生産台数はわずか50台で、在庫僅少となっている先代モデルのC8 エルロンが完売となり次第、英国コベントリーにあるパートナー会社、CPP Metalcraftの工場で生産開始される。気になった方は、公式サイトもご覧いただきたい。


By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー