【ジュネーブ・モーターショー】フォルクスワーゲン、小型クロスオーバーのコンバーチブル「Tクロス ブリーズ」を公開
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ルーフがないからといってだまされてはいけない。このフォルクスワーゲン(VW)の「Tクロス ブリーズ」は、レンジローバーの「イヴォーク・コンバーチブル」と似たクロスオーバー・カブリオレだが、重要なのは、これが「ティグアン」の下に位置する新しい小型クロスオーバーとして、間もなく市販されるだろうということだ。

VWのプレスリリースには、「新しく開発されたSUVモデルのシリーズとして最初にお披露目するのが、Tクロス ブリーズのコンセプトカーです。将来的には3車種のSUVが、ティグアンとトゥアレグに加わるでしょう」とあるが、これが全てを語っていると言えるだろう。また、同社のブランド・チーフ・デザイナーであるクラウス・ビショフ氏は、このコンセプトのことを「フォルクスワーゲンが今後作ろうとしている、最もコンパクトなスポーツ・ユーティリティー・ビークル(SUV)のティーザー」だと述べている。一昨年のジュネーブ・モーターショーで発表されたコンセプト「T-ROC」は「ゴルフ」サイズのクロスオーバーを予見させたが、Tクロス ブリーズはより小型なので、サイズとしては「ポロ」を思い浮かべてほしい。全長4,133 mmに対し、ホイールベースは2,565 mmと長く、全幅は1,798 mm、全高はソフトトップを閉じた状態で1,563 mmと発表されている。

パワートレインは、1.0リッター直列3気筒直噴ターボ「TSI」エンジンを搭載し、最高出力110ps、最大トルク17.8kgmを発揮。そのパワーは7速「DSG」デュアルクラッチ式ATを通して前輪のみを駆動する。車両重量は1,250kgで、0-100km/h加速は10.3秒、最高速度は188km/hだ。決して速いわけではないが、燃費効率は優れているに違いない。VWによれば燃料消費量は5.0L/100kmで、40リッターの燃料タンクを満タンに給油すれば、計算上は航続距離が800kmに達し、「途中で給油することなしにジュネーブからカンヌあるいはヴェネツィアまでドライブすることができる」という。


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車内でVWが力を入れたことは、操作ボタンを極力廃し、タッチセンサー式の画面とジェスチャーコントロールによるユーザー・インターフェイスを採用したことだ。このコンセプトでは2ドア、4シーターのレイアウトだが、最終的には4ドアの5シーターが採用されるのではないかと思われる。

では、コンバーチブルのTクロスは果たして市販化されるだろうか。ビショフ氏によれば、このコンセプトは「我々のブランドの新しいスタートの象徴」であり、「コンパクト・セグメントにおいて、SUVとコンバーチブルが融合したらどうなるかという実例でもある」と述べている。また、フォルクスワーゲン・ブランド取締役会会長のDr. ヘルベルト・ディースは「我々はこうしたコンバーチブルを実際の生産モデルとして、市場投入する可能性を視野に入れています。Tクロス ブリーズは、手頃な価格の楽しいコンバーチブル・モデルで、日常使いにも優れています。これもまた、真の"ピープルズカー"のひとつのあり方です」と語っている。だが、我々が言えるのは、「コンバーチブルであることにこだわりすぎては駄目だ」ということだ。このTクロス ブリーズには、VWのラインナップのエントリー・レベルを担う、しっかりとしたコンパクト・クロスオーバーとしての要素が随所に含まれているのだから。


By Steven J. Ewing
翻訳:日本映像翻訳アカデミー