イアン・ロッカー、2ストロークエンジン搭載のスッター「MMX500」でマン島TTレースに挑む
オートバイにまたがって化学合成オイルの匂いを嗅ぎながら大人になった世代はきっと歓ぶに違いない。スイスに本社を置くスッター・レーシング・テクノロジーが、2ストロークの500ccV型4気筒エンジンを搭載するハイパワーで軽量なマシン「MMX500」で6月に開催されるマン島TTレースに参戦し、最新の4ストローク・エンジンを搭載する強力なホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ、ドゥカティなどのライバル・マシンと競い合うことを発表したのだ。99台のみが限定生産されるMMX500はコレクションとして価値が十分にあるのだが、実際にはレース用として開発されたマシンだ。

英国王領マン島の約38マイル(約60km)に及ぶスネーフェル・マウンテン・コースで行われる有名なレースにMMX500が参戦すると聞いて、当然ながらインターネット上では大いに盛り上がっている。最高出力195hp、重量280ポンド(約120kg)、最高速度は193mph(310km/h)に達するというこのマシンなら、大物マシンたちと競い合うガッツを十分備えているといえるだろう。ここ数年、マン島で強さを誇り続けているホンダ「CBR1000RR」を脅かす存在にすぐになるとは思えないが、スッターが2ストロークでこれに挑むと思えば胸が高鳴る。

そのライダーとして起用されることが先日発表されたイアン・ロッカーは、2ストローク・バイクのハンドルを握るにはうってつけの人物だ。ロッカーは1984年から2013年にマン島TTレースで10回も優勝し、また同レースやノースウェスト200などの公道レースには100戦以上の経験がある。ロッカーはスッターの参戦オファーにより再びマン島TTレースの舞台に立つ理由について、「エスキル・スッター氏のレース参戦に向けた姿勢に本当に心を動かされたからだ」とコメント。また、「この種のレースには感情的になってしまうものだが、スッター・レーシングはレースにプロ意識を持って、客観的に取り組んでいる。それはマン島TTレースで競い合うために必要となる唯一の意識だ」とも語った。

さらに「観客はきっと"行け!"という声援を送ってくれるはずだ」と続けた。我々も団結して、スッター・レーシング、ロッカーに激励の言葉を送りたい。必ずこのスモークがたなびく栄光のレースを生中継で最後まで見守るつもりだ。



By Jeremy Korzeniewski
翻訳:日本映像翻訳アカデミー