メルセデス、三連覇を狙う2016年シーズン用F1マシン「W07 ハイブリッド」を発表
メルセデス AMG ペトロナス F1チームは、2016年の世界選手権を戦う新型マシン「W07 ハイブリッド」を発表した。

Related Gallery:Mercedes-Benz F1 W07 Hybrid

まず目に留まるのは、わずかに変わったボディのカラーリングだが、エアロダイナミクスの面も改善され、インダクションポッドからエンジンカバーの形状に変更が見られる。

W07のシェイクダウンは、ルイス・ハミルトンニコ・ロズベルグが英国シルバーストーン・サーキットですでに済ませており、プレシーズンのテスト走行が開始される今月22日にスペインのカタルーニャ・サーキットのピットレーンでお披露目を行った。

今年はレギュレーションが変わらないことから、劇的な見直しは行われなかったものの、メルセデスAMGのエグゼクティブディレクターを務めるパディ・ロウ氏は、今回の変更にはかなりの労力を要したと話している。

同氏はまた、カウルの内部に重要なマイナーチェンジが施されたことをほのめかしている。おそらくサスペンションに関する部分だろう。

「ルールが前年と比べてほとんど変わらない中で、完全な変革を成し遂げるのは難しい」とロウ氏は言う。

「しかし、例え小さなエリアでも小さな変革を可能な限り起こそうと思っている」

「例えば、全く新しいパッケージングのソリューションやサスペンション・コンセプトに目を向けることもできるだろう」

「レギュレーションが変わらないため、外観は昨年型マシンとほぼ同じに見えるかもしれないが、見えない部分にはかなりの数の小さな変革が行われており、それが新たなシーズンに向けての全体的な進化につながる」と同氏は続けた。




改善すべき点はまだある

昨年は好成績を収めたにも関わらず、ロウ氏はチームがトップに居続けるためには対処すべき問題がまだあると加えた。

同氏によると、「2015年シーズンは年間を通して大成功を収めたが、我々は昨シーズンにおける最大の弱点を見つけ出し、それらを改善することに優先して取り組んでいる」と言う。

「我々の目標は、全ての分野において優秀であることだ。昨年は素晴らしい結果を残したとは言え、まだ改善できる分野はたくさんある」

「これが我々の組織全体を通して浸透している気風であり、より良いものを目指して常に努力することにつながっている」

「2015年シーズンは、シンガポールGPをはじめ、計画通りにいかないレースがいくつかあった。よって、2016年シーズンに向けて改善が必要な部分はたくさんある。我々は可能な限り徹底した最適化を施すつもりだ」



エンジンの強化

メルセデスはパワーユニットの開発も強力に推し進めてきた。このことに関してエンジン責任者のアンディ・コーウェルは、今年使用可能な32トークン(開発点数)の制限による影響は受けていないと次のように述べている。

「32のトークンというのは非常に多く、ある特定の部分への開発行為を制限する必要は全くなかった」

「適正な効率の向上をもたらし、それによってパフォーマンスの向上につながるあらゆるものを探し出しているところだ。我々のエンジンが開幕戦のオーストラリアGPにおいて十分な耐久性を発揮できるように取り組んでいる」

今年は開催レースが21レースに増えたため、エンジンの割り当てがドライバー当たり4基から5基に増えた。しかし同氏は、これによって開発側が楽になるわけではないと明かし、次のように述べている。

「表面上、パワーユニットの割り当ての増加は、エンジン・メーカーにとって有利に運ぶように思われる。それぞれのユニットがより少ないレースを耐えればよくなるので、異なるパーツに求められるライフサイクルが、以前ほど厳しくなくなるわけだ」

「しかし、実際のところ、1基のパワーユニットが少なくとも確実に5レースを耐え抜くという我々の耐久性の達成目標は変わっていない。これはつまり、理論上、シーズンを通してドライバー1人につきエンジンが4基あれば済むということだ」

「よって、エンジンの信頼度に問題が出た場合に(この5基めを使って)対応できるようになるのは確かだ。また、重要なレースにおいては、パフォーマンスの強化のために予備の1基を有効に利用するという可能性も与えてくれる」


本稿はモータースポーツのニュース、写真、ビデオをお届けする情報サイト『Motorsport.com』に掲載されたJonathan Noble記者の記事を転載したもの。

By Motorsport.com
翻訳:日本映像翻訳アカデミー