マセラティは19日、同社初となるSUV「レヴァンテ」のエクステリアを公開した。

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まず全体像を見ると、SUVとしては車高が低く、傾斜したルーフラインが特徴的。細部のデザインは明らかに他の現行マセラティ車と類似していることが分かる。他のモデルと比べると、やや上下に広いフロント・グリルには、かなり少ない本数の縦桟が入れられ、中央にはもちろん、海神ネプチューンが持つ三叉の槍を模ったエンブレムが輝く。サイドに回り込む吊り上がったヘッドライトは「ギブリ」を思わせるが、その下の補助ライトは「グラントゥーリズモ」や「グランカブリオ」に見られるものをSUVらしく大型化したものだ。アンダー・グリルは「グラントゥーリズモ スポーツ」などの高性能モデルのように左右に開口部を持つ。フロント・フェンダーに開けられた3つのダクトや、中央部が隆起したボンネット、テールライトの形状とそれをつなぐクロームのバー、4本出しのエキゾースト・テールパイプ、強調されたリア・フェンダー、美しいCピラーとそこに付けられたエンブレムなど、他のマセラティと共通するディテールは数多く見られる。逆にSUVらしい要素はというと、前後バンパー下部に申し訳程度に備わったアンダーガード(風デザイン)や、タイヤとフェンダーアーチのクリアランスがやや大きいことくらいだろう。




マセラティによれば、シャシーは全てのマセラティに共通するオンロード上の傑出したパフォーマンスと、グリップの低い路面でも発揮される高いハンドリング性能、そしてオフロードにおける優れた走破性と乗り心地を併せ持つように設計されているという。全車に電子制御ダンパーとエアスプリングを装備し、8速オートマティック・トランスミッションと「Q4」全輪駆動システムが組み合わされる。エンジンについての詳細は明らかにされていないが、ディーゼルとガソリンの両方が用意されるそうだ。



(モデナのマセラティ本社工場ではなく)トリノにあるフィアットのミラフィオーリ工場で生産は既に始まっているそうで、3月1日に開幕するジュネーブ・モーターショーで公開された後、ヨーロッパでは今春から発売されるという。他の国々には今年の後半から導入されていく予定だ。



SUVを作り慣れていないメーカーがそのアイデンティティと融合したデザインの創造に苦心している中で、マセラティは言ってみれば"ちょっと背の高いギブリのハッチバック"という方向を採用して来た。2011年のフランクフルト・モーターショーで発表されたSUVのコンセプトカー「クーバン」(上の画像)に比べると、無理にタフなSUVらしく見せるのを控えたようにも思われる。イタリアらしい伊達なクロスオーバーに仕上がっているが、オフロードでの実用性に関してはそれほど期待を抱かせない。とはいえそれこそが、入念な顧客リサーチから導き出した結果なのかもしれない。ギブリとの価格差によっては、日本におけるマセラティ最大のヒットとなる可能性もありそうだ。ちなみにイタリア語の"レヴァンテ(levante)"とは、"東方"という意味らしい。