ジェレミー・クラークソンがマニュアル車の存続擁護に異議?
英国BBCの人気自動車番組『トップギア』で長年司会を務めていたジェレミー・クラークソンが、無類の運転好きで知られていることを考えれば、誰でも彼が自分でクルマを操ることを楽しむ、3ペダルのマニュアル・トランスミッション(MT)を好むと思うだろう。我々も長年クラークソンがパドルシフトを軽蔑しながら、ヒール・アンド・トゥを駆使して大ブリテン島を走り回っていると期待していた。しかし、どうやらクラークソンは、英国人の多くがMT車へのこだわりが強すぎると考えているようなのだ。

そんな論議を呼ぶのも厭わないクラークソンが書いた手厳しい最新コラムが、イギリスのタブロイド紙『The Sun』の自動車セクションに掲載された。その中で彼は、MT車のドライバーを「洗濯機を使わずに川で洗濯をすることを好む人」と例えている。これは痛いところを突かれた。とはいえ、マニュアルの方が楽しいので彼の意見には賛同しかねるが(洗濯機を使うより川で洗濯する方が楽しいと考える人はあまりいないだろう)、クラークソンの指摘も的を射ている。

近年のオートマティック・トランスミッション(AT)は、人間では不可能なほど迅速なシフトチェンジと、優れた燃料消費率を提供する(状況にも寄るが)ことで、かつての悪評の大部分を払拭した。ATや特にダブルクラッチ式トランスミッションは非常に秀逸なため、いくつかの世界的なスーパーカー・ブランドは、もはや完全にMTを放棄している。フェラーリはもう何年もMT車を販売していないし、ランボルギーニもまた然り。そして、長年にわたり純粋に運転を楽しめるクルマの代表格であったポルシェ「911GT3」も、その現行モデルではマニュアルを廃止してしまった。さらに比較的安価なスポーツ・モデルでも、ATはより高いパフォーマンスを求めるなら選ぶべきオプションだ(例えばフォルクスワーゲン「ゴルフGTI」)。

しかし、注目すべきはクラークソンが、適切な状況下においてはMTの価値を認めていることである。MT車を「崇高なもの」と呼び、レッドゾーンで完璧なシフトアップをすると「ゾクゾクする」と述べている。英国の市街地でMT車を転がしている時は、その価値が分からないだけなのだ。

クラークソンの言葉に賛同すれば、我々だけでなく彼自身の感情も否定することになってしまう。彼のコラム全文は『The Sun』のウェブサイト(英語)で読むことができる。


By Brandon Turkus
翻訳:日本映像翻訳アカデミー