YOKOHAMA iceGUARD 5 PLUS
スタッドレスタイヤの氷雪上性能は、材料にゴムを使う限り、もはや限界に近いところまで来ている、そう思えるほど性能は高みに上り詰めている。だから、新型のソフトコンパウンドを乗せ、トレッドデザインに工夫を凝らした程度で簡単に性能アップは果たせない。

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もう一つ、確認するのが難しいけれど、とても大切な性能がロングライフ性だ。3年、4年と使っても性能の劣化が少ないこと。限られた期間しか使わないタイヤだけに、複数年の使用に耐える性能が重要だ。国産タイヤメーカーの作るスタッドレスタイヤの優秀さ、正直さはこうした性能にも顕著に表れている。
最大瞬間風速ではなく、長く性能を維持し使えるスタッドレスタイヤが、いまやスタッドレスタイヤのスタンダードな性能といっても過言ではない。
ヨコハマタイヤでは、それに加え「転がり抵抗の低減」に取り組んでいる。

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今シーズン、ヨコハマのスタッドレスタイヤ=アイスガード ファイブ がマイナーチェンジを受け、アイスガード ファイブ プラスとしてあらたに登場した。

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トレッドデザインはアイスガード ファイブのままだが、コンパウンドを変更し氷上性能をアップさせるとともに、経時劣化を抑え、長く乗った時の性能低下を抑えている。が、それだけでなく、転がり抵抗も大幅に低減した。具体的には、アイスガード ファイブに比べ、転がり抵抗を7%低減。スタッドレスタイヤなので、タイヤグレーディングは受けていないが、同社の低燃費タイヤであるECOS ES31とほぼ同等であるという。

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いまや低燃費が基準になりつつある国産車では、当然のように装着するタイヤも転がり抵抗を考慮した性能が盛り込まれている。アイスガード ファイブ プラスは、そうしたサマータイヤからの履き替えでも、燃費の低下が軽微、あるいは逆に燃費向上が見込めるくらい、転がり抵抗が少ないのだ。
ヨコハマタイヤというとアドバンブランドにより、かつては体育会系スポーツタイヤといったイメージがあり、今でもスポーツタイヤのイメージが強い。しかし、その一方で低燃費タイヤ、省燃費タイヤにいち早く取り組み、発売したのもヨコハマタイヤだった。
じつはヨコハマタイヤは低燃費タイヤのパイオニアといってもよく、その性能をいかんなく搭載したのがアイスガード ファイブ プラスというわけなのだ。

<参照:横浜ゴム HP >

変更されたコンパウンドだが、従来は殻付きの気泡=新マイクロ吸水バルーンと、極低温でもゴムの柔軟性を保つブラックポリマーⅡ、吸水性に優れたゲル状素材=吸水ホワイトゲルで構成されていたが、アイスガード ファイブ プラスでは、吸水ホワイトゲルに代えて、従来比30倍の大きさを持つエボ吸水ホワイトゲルを配合。氷上性能アップを図っている。
これによって、氷上ブレーキ性能は、7%短縮している。


<参照:横浜ゴム HP >

また、この新コンパウンドの効果で、低温時のゴムの柔軟性がより長く保たれるようになり、摩擦係数の経時劣化シュミレーションでは、約4年後でアイスガード ファイブの3分の1、つまりそれだけゴムの柔軟性と摩擦係数が落ちないということだ。


<参照:横浜ゴム HP >

また、ベースコンパウンド=コンパウンドの基底部(ベース部)にアイスガード ファイブで採用したベースゴムに対してエネルギーロスが32%も少ないゴムを採用した。これによってトレッド部の発熱を低減することができ、転がり抵抗を7%低減している。
氷上ブレーキ性能を高め、経時劣化を抑え、さらに転がり抵抗まで低減しているのがアイスガード ファイブ プラスなのだ。

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さて、試乗した印象はどうか。じつはもっとも感心したのは、インフォメーション性とコントロール性の良さだった。なにしろ走りやすいのだ。主に圧雪路のハンドリングコースで得た印象だが、タイヤが雪を噛み捉える感触がすごくよく判る。だから走っていて、今どのくらいグリップしているか、まだ余裕があるかどうかがほぼ正確に感じ取れるのだ。

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スポーツドライビングのようなハイペースでなく、ごくごくゆっくりと走っているときでも同様で、タイヤのブロックが雪を踏みしめている感じがよく判る。

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磨かれた路面や、凍結した路面に雪が乗っているだけといったところに来れば、手応えが少なくなり、ハンドルの効きが鈍くなったり、リヤタイヤの落ち着きがなくなる感じがかなり明瞭に感じ取れる。
ハンドリングコースではフォルクスワーゲンゴルフ7とメルセデスベンツC180に試乗したが、いずれもタイヤが圧雪路面をとらえている感触が明瞭だった。

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またC180で意図的にリヤを滑らせたときも、タイヤトレッドのショルダーや縦溝成分が雪面に爪を立てるような感じで、滑りながらも路面をとらえている。だからスライド量のコントロールがアクセルで効くし、どこまで滑っていくのかわからないといった不安感もない。

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駆動力のかからないゴルフ7のリヤを滑らせたときも同様で、横方向に滑りながらもエッジを効かせて路面をとらえている感触があり、不安感がない。
そんな具合に、走ることに不安を感じさせず、また積極的に走りを楽しみたい人にとっては、インフォメーション性に優れ、コントロール性が良いので、自由自在にクルマを走らせることができる。

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ただ、氷上のブレーキ性能に関しては、それほど性能が上がったという印象は受けなかった。アイスガード ファイブと比較してもほぼ同等か、アイスガード ファイブより少しいいかなというところ。
20mの氷盤路での制動距離に対して7%なら1.4mなので、屋外の氷盤テスト路では差は出にくいレベルではあるが...。いずれにしても、止まる性能についても同等以上ではあるわけで、必要十分な性能を持っていることは間違いない。

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見方を変えれば、7%転がり抵抗が低減してタイヤグレーディングで転がり抵抗性能「A」評価の低燃費タイヤECOSと同等の性能を備えているのだから、それは誇るべき性能といってもいいだろう。


■横浜ゴム株式会社 公式サイト
http://www.yrc.co.jp/


■ ice GUARD 5 PLUS 公式サイト
http://www.iceguard.jp/five_plus/