VW、排出ガス不正問題の関連費用を算出できず決算発表を延期
フォルクスワーゲン(VW)ディーゼル排出ガス不正問題の関連費用を算出するにはもう少し時間がかかりそうだ。そのため、同社は3月10日に行われる予定だった2015年の決算発表と、4月21日予定の株式総会を延期すると発表した。社内では各関係先への連絡に大わらわとなっていることだろう。VWはできるだけ早急に新たな日程を発表すると約束しているが、期間は明言していない。

今回発表されたプレスリリース(英語)の中で、VWは延期の理由について、「ディーゼル排出ガス問題をめぐる未解決問題とそれに伴う査定額の算出が依然として不明」のためとしている。同社は2015年の営業利益は前年とほぼ変わらないと見ているが、この排出ガス不正問題にかかる特別費用は同社の業績に影響を与えるだろう。

VWはこの不正問題による金銭的打撃について具体的な数字は明らかにしていないが、すでに数十億ドルに達しているはずだ。不正問題の発覚直後、同社は約73億ドル(約8,700億円)を同問題の引当金としていたが、金融情報メディア『Bloomberg』によると、VWグループのマティアス・ミューラーCEOはこの金額では対応しきれないと語ったという。後に、VWは予想される出費に備えいくつもの銀行から計210億ドル(約2兆6,000億円)ものつなぎ融資を受けている。

この不正問題の対応費用は2016年中もVWについてまわるだろう。欧州での改修計画が進む一方、米国ではカリフォルニア州大気資源局(CARB) と米国環境保護庁(EPA)がVWの提示した2.0リッターと3.0リッターエンジンの改修計画をまだ認めていない。米国での問題解決に向けた技術的な対応コストも安くは済まないはずだ。米国では115,000台ものディーゼル車を買い戻す可能性があり、そうなるとさらに費用は増していくことだろう。さらに、米国当局は同社に対して民事訴訟を起こしており、制裁金を支払う可能性が非常に高い。

同社は4月後半に予定通り、排出ガス不正問題の背景と責任を明確にした報告書を発表するとしている。




By Chris Bruce
翻訳:日本映像翻訳アカデミー