トヨタ、サイオン・ブランド廃止を受け「86」の名前に統一か 名車は名を変えて生き残る
トヨタが、北米で展開している若年層向けブランド「サイオン」を廃止し、同ブランドの販売車種を順次トヨタ・ブランドに移行すると発表した。つまり、我々がサイオン「FR-S」と呼んでいるクルマは、再びその名称を変えることになるのだ。

「トヨバル(もしくはスボタ)」の愛称で呼ばれるこの後輪駆動のスポーツクーペが登場した際の興奮を覚えている方なら、兄弟車のスバル「BRZ」と共にサイオンFR-Sが米国に上陸した時のことも思い出せるだろう。このクルマは新モデルの「iA」や「iM」と同様に、サイオン・ブランドが廃止された後も生き残ることになるようだ。今後、ディーラーにはトヨタのバッジを付けて並ぶことになるのだろうが、この機会に日本や欧州と同じ「86」の名前が与えられる可能性もある。

トヨタはこのモデルの名称を市場によって使い分けてきた。サイオン・ブランドから発売しているのは北米だけで、他の地域ではトヨタ「86」(アジア、オーストラリア、ニュージーランド、南米、南アフリカ)や、トヨタ「GT86」(欧州、ニュージーランド)、そしてトヨタ「FT86」(ニカラグア、ジャマイカ)と呼ばれている。この86という数字は、1980年代に発売された「カローラレビン/スプリンタートレノ」の車両型式番号"AE86"に因んだものだ。ファンには今さら説明するまでもない歴史だし、さらに熱心なファンなら過去のAE86も所有していたことがあるに違いない。他に考えられる新名称はトヨタ「FR-S」という組み合わせだが、出来ればシンプルに統一して欲しいものだ。


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北米向けに名称を変えられた86が、トヨタ・ブランドに戻ることで再び名前を変更することになるわけだが、実質的に大きく何かが変わることはない。車名エンブレムの交換キットを海外から取り寄せていたオーナーが多少のお金を節約できたり、エンスージァストたちが集うフォーラムの名前を変更する必要が生じることくらいだ。もしかしたら、日本や欧州から米国を訪れた観光客が街中を走るトヨタのバッジを付けたスポーツカーを見ていくらか親しみを感じることもあるかもしれないが。いずれにせよ、"フロント・エンジン、リア・ホイール・ドライブ、スポーツ"の略と言われたFR-Sの名は、近い将来、恐らく忘れ去られてしまうのだろう。


By David Gluckman
翻訳:日本映像翻訳アカデミー