落札予想額は35億円以上! 1957年型フェラーリ「335S」がオークションへ出品
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2016年に入ってわずか2カ月で、今年の自動車オークションでの最高落札額がすでに記録されてしまいそうだ。間もなくパリで開かれるアールキュリアル社主催のオークションに、1957年製フェラーリ「335S スパイダー」が出品される予定となっており、落札価格は2,800万ユーロ(約37億万円)を超えると予想されている。

今回のオークションに出品されるシャシー番号「0674」は、もともとスカリエッティ製のボディに3.8リッターV型12気筒DOHCエンジンを搭載した「315S」として誕生した。スクーデリア・フェラーリのワークス・マシンとしてセブリング12時間耐久レースで6位、イタリアの公道レース「ミッレミリア」で2位に入った後、マラネロのファクトリーに戻され、排気量が4.1リッターに拡大されたことから「335S」となった。最高出力が約360hpから400hp程度に向上し、最高速度は300km/hに届いたという。

その年のル・マンでは、マイク・ホーソーンがコクピットに座り、1周の平均速度で初めて200km/hを超える記録を達成しながらレースをリードしたが、メカニカル・トラブルのためレース開始後5時間を経過した所でリタイアしてしまった。その後もフェラーリのファクトリー・チームからいくつかのレースに出場し、1957年のマニュファクチャラーズ・タイトル獲得に貢献した。翌1958年1月に米国にフェラーリを輸入していたルイジ・キネッティ氏に売却され大西洋を渡ってからも、スターリング・モスとマステン・グレゴリーのドライブによって1958年キューバGPで優勝を飾るなど、アメリカで2年間ほどレースに出場を続けた。そして実戦を退いた後、1960年にペニンシュラに住む建築家の手に渡る。

この建築家から著名なコレクターのピエール・バルディノン氏が1970年に買い取って以来、335Sはフランスにある。かつて「なぜファクトリー・コレクションがないのか?」と問われたエンツォ・フェラーリは、「不要だからだ。バルディノン氏が私の代わりにやってくれているのでね」と答えたことがある。これはバルディノン氏に対する最大級の賛辞であり、実際にこの335Sは同氏のコレクションの中でも40年以上にわたりハイライトのひとつとなっていた。

昨年バイヨン・コレクションを完売させたアールキュリアル社は、335Sの落札価格を2,800万~3,200万ユーロ(約37億円~42億円)と予想している。この価格は、今年これから行われるオークションの記録のハードルを上げるだけでなく、自動車の落札価格として史上最高額のひとつとなり得るだろう。2014年にはフェラーリ「250 テスタロッサ」が3,980万ドル(約47億円)で、「250 GTO」が3,800万ドル(約44.5億円)で落札されている。この後に続くのは、2013年に落札された、かつてファン・マヌエル・ファンジオがドライブしたメルセデス・ベンツ「W196 シルバーアロー」の2,965万ドル(約35億円)だ。

オークションは、フランス・パリで開催されるサロン・レトロモビルにおいて2月5日(現地時間)に行われる予定だ。アールキュリアル社はこのイベントのために他にも数台の跳ね馬を集めており、1963年製「250 GT SWBベルリネッタ」(予想落札価格900万~1,200万ユーロ=約12億円~16億円)、フィアット元会長ジャンニ・アニエッリ氏のためにワンオフで製作された1986年製「テスタロッサ・スパイダー」(70万~90万ドル=9,200万円~1億2,000万円)、かつてモロッコ国王が所有していた1962年製「250 GT カブリオレ シリーズ2」(140万~180万ユーロ=1億8,000万円~2億3,600万円)などが出品されるという。これからパリでは、数億円クラスのフェラーリが次々と新たなオーナーの元に嫁ぐことだろう。


By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー