LAND CRUISER PRADO
 日本初の4WDモデルとして長い伝統をもつランドクルーザーの中にあって、派生モデルであるプラドは、実に個性的な世界を切り開いているといえる。
 本家 "ランクル" は、その堂々とした体躯と大排気量エンジンを武器に、ヘビーデューティの王道を誇る。王様の風格が漂う。

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 一方のプラドは、比較するのならばコンパクトだといえるのかもしれないが、余裕の3列シートを備える。最近チヤホヤされているSUVやクロスオーバーカー達とは一線を画す。軟弱な4WDモデルを尻目に、本家ランクルゆずりのヘビーデューティ路線を突き進むのだ。

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 そんなプラドに、クリーンディーゼルエンジン搭載車が加わった。

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 直列4気筒2.8リッターのディーゼルターボエンジンは、コモンレール式燃料噴射を採用するなどで、なかなかの好燃費を実現、尿素を使ったSCR触媒との連携もあり、窒素酸化物NOxも浄化している。大自然と戯れるクロカンモデルだからこそ、環境性能に拘るのだ。

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 実際に走らせて、まず最初に驚いたのはその燃費だ。試乗車はもっとも装備の充実したTZ-Gであり、車両総重量は2.7トンにも達する。駆動システムは凝りに凝っている。走行抵抗も少なくない。空気抵抗だって、自慢できるレベルであるはずもない。だというのに、高速道路をゆったり流しているかぎり、13km/l以上の平均値だったのには驚いた。

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 最高出力は177ps/3,400rpm、最大トルクは450Nm/1,600rpm〜2,400rpmに達するというのに、13km/lなのは驚異的だと思う。JC08燃費の公表値は11.2km/lである。

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 ちなみに、ガソリン仕様のプラドは、JC08燃費が9.0km/lだ。排気量は2.7リッターでターボは装備されていない。最高出力はディーゼルより控えめな163psであり、最大トルクは約2分の1の246Nm。データを見比べてみると、圧倒的に力強いディーゼルプラドの高い環境性能が想像できるのだ

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 そもそも低速トルクが豊かなディーゼルが、同じくトルク型のターボと組み合わされているのだから、その加速フィールは想像するとおりだ。圧倒的な馬力感は感じないが、低回転域から粘り強く走る。回転計の針が1,500rpm以下に落ち込んだとしても心配ない。

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 6速ATはそんな特性を百も承知で、慌ててシフトダウンすることもなかった。このトルクは、燃費にも貢献しているのである。

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「なんじゃこれ・・・」
 感心したのは燃費だけではなかった。むしろ、こっちのほうが衝撃は強かった。驚きの言葉を発したのは、瓦礫のような段差を乗り越えた瞬間である。

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 そう、圧倒的に乗り心地がいいのだ。実は、プラドのオフ性能を確かめようと未舗装の山坂道に向かったのだが、そこまでの道中で、乗り心地の良さを実感している。

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 はっきり言おう。ちょっと足を締め上げた高級セダンよりも、突き上げがなく、タイヤがシットリと路面を舐めるのである。レクサスLS級の滑らかさ・・といったら言いすぎだろうか。

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 駐車場の車止めブロックよりも大きな障害物を、突進するようにして乗り越えても、バオンバオンと跳ねることなく、脳天に響くような突き上げもない。
 その段差が嘘だったかのように、何事もなく乗り越えてしまうのだ。その感覚は、ちょっとしたイリュージョンに思えた。道なき道を突き進むことが可能な踏破性を突き詰めると、こう言うことになるのだ。

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 とまあ、そんな不思議体験をしたのだが、ヘビーデューティを追求した結果、逆に市街地走行のしっとりした走り味が際立ってしまった。これなら、アーバンユースもこなせる。
 あらためてプラドを見直した次第である。


■トヨタ 公式サイト
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■ランドクルーザー プラド 公式サイト
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