TOYOTA VELLFIRE
 公官庁のお偉方や、大企業の役員達が愛用するのは、トヨタセンチュリーが相場と決まっている。センチュリーと双璧をなしていた日産プレジデントが消えた今、VIP御用達の最高峰はセンチュリーである。
 お抱えドライバーを雇えるVIPにとっては、ステイタスにおいても快適性においても、堂々たる体躯の超高級セダンを黒塗りにして走らせるのが定番である。

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 だがしかし、このところ、時代の流れは変わりつつある。役人や役員だけでなく、一流芸能人といった後席でくつろぎながら移動をこなすVIP達がこぞって、ミニバンに触手を伸ばしているのだ。

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「偉そうに思われたくないから・・」
 センチュリーやレクサスLSからミニバンに乗り換えた理由を、とある一流芸能人に聞いたことがある。すると、そんな答えが返ってきたのだ。
 たしかに黒塗りのセンチュリーでは威圧感がありすぎる。皇族ならまだしも、芸能人が転がすのは気が引けるという。同様な応えを、大企業の役員も口にしていた。人様のお陰で裕福な生活ができているのに、その人様の前に偉そうには乗りつけられないというわけだ。
納得である。

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 ただし、それはあくまで表向きの回答だと思う。偉そうにはしたくない気持ちも嘘ではないだろうが、本心のところはこの「圧倒的な快適性」にあるのだろうと想像する。
 そんな脱黒塗りカー代用の筆頭が、アルファードでありヴェルファイアなのであることは明らか。特に、今回試乗したハイブリッド・エクゼクティブラウンジ仕様での「くつろぎ感」は別世界である。

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 そのシートアレンジの巧みさには、空いた口が塞がらない。7人乗りのシートのうち、フロントのサイドシートは、ほとんど2列まで下がるし、その2列目には、旅客機のビジネスと見紛うばかりのソファシートが組み込まれている。しかも、リクライニングはあたりまえ、オットマンまで迫り出す。

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 シートヒーターやベンチレーションも組み込まれているし、肘掛けからはテーブルさえも迫り出すという具合。それがほとんど電動で行われる。ゆったりくつろぎながら、なんでもこなすのである。

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 テレビモニターも装備しているし、スピーカーはJBLだ。1500Wまで許容する100Vソケットも装備されている。ほとんどリビングの様相を呈しているのだ。クルマ移動に明け暮れる多忙なビジネスエリートには、最適な空間だと思える。

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 荷物だって何でも積み込める。3列目を畳んでしまえば、クローゼット代わりにもなる。移動先へのお召し替えも、クルマの中で可能なのだ。高級セダンからミニバンに乗り換えるVIPが多いのは、それも理由だと思う。

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「自分では買えないけれど、近所のお父さんが所有してくれれば嬉しいね」
 試乗中、編集スタッフがそう言って笑った。決して安価ではないし、せっかく手に入れたのならば、後席が主役である。大枚をはたいた本人が主役になれないのでは寂しいというわけだ。

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 とはいうものの、ドライバーへの配慮も行き届いている。そもそも空間的には狭くはないし、ハイブリッドのモーターパワーは、加速のストレスを感じないようチューニングされている。ボディは大柄なのに、ブラインドを解消するモニター類によって市街地走行でも不満はない。さすがにコーナリングはもっさりと深いロールをする。ちょっと急ぐと、走りがおぼつかない。やはり後席でくつろぐためのクルマであることを実感した。

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 車両総重量は2.6トンもあるのに、JC08モード燃費は18.4km/Lである。7人も乗せて感謝されるモデルであるにしては燃費がいい。

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 搭載するエンジンは2.5リッターハイブリッドだ。最高出力は152ps/5,700rpm +143ps (モーター)であり、最大トルクは206Nm/4,400rpm〜4,800rpm +139NM(モーター)だ。それにしては優れた燃費だといえよう。

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 いつかヴェルファイアで移動できる日を夢見てしまうのは、このクルマが驚くほどの快適性を秘めているからだ。 

■トヨタ 公式サイト
http://toyota.jp