ビー・エム・ダブリュー株式会社(以下、BMW)代表取締役社長:ペーター・クロンシュナーブル氏は、1月26日火曜日、東京港区芝公園「ガーデンアイランド」において、プラグイン・ハイブリッド・モデルとして「BMW 3シリーズ セダン 330e(サン・サン・マル・イー)」、「BMW 2シリーズ 225xe(ニー・ニー・ゴ・エックス・イー)アクティブツアラー」の2車種を同時に発表した。ユーザーにとって身近なカテゴリである量販モデルに、電動化技術「eDrive(イー・ドライブ)」を搭載した電気自動車が導入されることとなり、今回の発表により、BMWブランドのプラグイン・ハイブリッドのラインナップは単一ブランド国内最多の計4車種となる。
発表会を取材したので、当日の模様をお伝えしたい。

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電動化というCO2排出を抑え、環境を考慮した技術のモデル発表ということもあってなのか、東京の中心部であれど緑豊かな会場に白を基調とした爽やかな空間が作り上げられていた。昨今の世界的課題である「CO2排出の低減」に真摯に向き合うメーカーの心意気を感じたのは私だけだろうか。また、その姿勢に呼応するかのようにメディア各社が来場、環境技術の「量販モデルへの導入」という話題に注目は集まった。

BMWグループが高効率ガソリン・エンジンやクリーン・ディーゼルを積極的に開発・投入し、さらには動力の電動化に積極的に取り組んでいるのは読者も周知のことと思うが、その背景には明確に「持続可能なモビリティの実現」という経営方針が存在する。その強い方向性をベースに、BMWのブランドコンセプト「駆けぬける歓び=走行性能」を損なうことなく省エネルギーの両立を目指す「BMW EfficientDynamics(エフィシエント・ダイナミクス)」という技術戦略を早くから採用、欧州においてCO2削減の自主規制を達成するなど成果を上げてきたのが、BMWである。


ここで簡単に、BMWの電動化技術の推移を説明しておこう。
BMWは2007年、社内シンクタンク「プロジェクトi」を発足。2013年には、そのプロジェクトの成果の一環として、BMWのサブ・ブランドの「BMW i」から、革新的な電動化技術「eDrive(イー・ドライブ)」を搭載した電気自動車「BMW i3(アイ・スリー)」およびプラグイン・ハイブリッド・スポーツ・カー「BMW i8(アイ・エイト)」を発表。
BMW iの製品やサービスは、量販車初の炭素繊維ボディ採用など、専用の設計、開発、企画、生産、販売をして世に送り出されてきた。日本には2014年から積極的に導入されている。その後2015年9月には、BMW iに初搭載された電動化技術「eDrive」を採用した、BMWコア・ブランド初のプラグイン・ハイブリッド・モデル「BMW X5 xDrive40e(エックス・ドライブ・ヨン・マル・イー)」を導入。そして、今回の発表へと至ることとなる。


この量販モデルのプラグイン・ハイブリッド・モデル「BMW 330e」、「BMW 225xeアクティブ ツアラー」の導入を皮切りに、BMWグループでは、更なるモデル・ラインナップの拡充を行い、クリーン・ディーゼル・モデルと並んで、BMW EfficientDynamics 戦略の重要な柱の一つとしてプラグイン・ハイブリッド・モデル攻勢を開始する、と、代表取締役社長 ペーター・クロンシュナーブル氏は言った。


あわせて、こちらの写真にもあるが、BMW Motorradラインナップにもこの電動化技術を導入する計画が進められているとのことだ。

さて、ここでポイントとなるのが「BMW流の省エネルギーの両立」とは何か、である。話の中で明確に伝えていたことを要約すると一言、それは「BMWらしい走行性能を兼ね備えた、"駆けぬける歓び" を感じられることが前提の省エネルギーなクルマ作り」である。ペーター・クロンシュナーブル氏が声を大にして伝えていたこと、それは「環境のためにユーザーに我慢させない」ということだ。BMWらしい運動性能、そしてスタイル。それらを併せ持たせることだ。


先ずは運動性能から見てみたい。ここに面白いスライドがある。330e、225xe両車種、同モデル上のラインナップとの比較表だ。ガソリンモデル、クリーン・ディーゼルモデルと比較したものだが、最高出力/最大トルク/0-100km/h 加速、すべてが今回発表の「eDrive」モデルが優っている。



330eはベースと同様に後輪駆動のみとなるが、リチウムイオンバッテリーを積載していたとしても、前後重量配分は50対50となるように設計されていて、3シリーズらしいスポーツ走行時の安定性が確保されていることが垣間見える。エンジンは直列4気筒DOHC 2.0リッターBMWツインパワー・ターボの「B48B20A」型。エンジン単体で最高出力184PS/5,000rpm、最大トルク 290Nm/1,350-4,250rpmを発生。モーターを内蔵する8速ATと組み合わせ、システムトータルの最高出力は272PS、最大トルクは540Nmを発生させる。


225xeアクティブ ツアラーのベースは前輪駆動だが、eDriveの車体後部に搭載するモーターによって4輪駆動となる。前輪はエンジンのみ、後輪はモーターのみで駆動する方式を採用しているが、セレクトされたエネルギーの内容によって効率的で安定的な駆動方式になることが垣間見える。エンジンは直列3気筒DOHC 1.5リッターBMWツインパワー・ターボ「B38A15A-P160」型。エンジン単体で最高出力136PS/4,000rpm、最大トルク220Nm/1,250-4,300rpmを発生。これに合わせ、後輪を駆動させる最高出力88PS/4,000rpm、最大トルクは165Nm/3,000rpmのモーターを装備、システムトータルの最高出力は224PS、最大トルクは385Nmを発生させる。



次にスタイルであるが、同モデル上のラインナップとの違いは「充電ポート」があるかないか。その充電ポートは、決して目立つわけではなく、助手席側席のフロントフェンダーに静かに存在する。車を一周しても、既存のモデルと変わることなく「BMWらしい美しさ」を放っている。

運動性能、スタイルを見るだけでも、BMWが何を大切に開発をしたのかが一目瞭然である。そこに「省エネルギーの両立」という忘れてはならない点があるが、そこはどうか。


燃料を一切使わない電力だけでのゼロ・エミッション走行の場合、330eは最高速120km/h、JC08モードでの航続距離は36.8km。225xeアクティブ ツアラーは、最高速125km/h、JC08モードでの航続距離は42.4kmを達成する。この数値を見てどう考えるか。
普段使いの場合、日々30km(片道15km)以上の走行をするときはどれくらい存在するのか、と考えてみる。こと日本という地で考えた場合、ほとんどのユーザーはその距離数内で事足りてしまうのではないだろうか。そう考えると、平日はまさに「ガソリンを一切使わない。電力だけの走行」を実現できてしまう。休日や特別な日にはその距離数を超えたとしても、省エネルギーから生まれるCO2排出量は格段に違うと考えられる。それらを「量販モデルへ積極的に導入する」ということは、言わずとも知れて、効果はより一層高いものになっていくのだろうと推測できる。

そんなモデルの詳細は以下である。興味ある読者は、是非見ていただきたい。

■BMW 330e

公式サイト http://www.bmw.co.jp/ja/all-models/3-series/sedan/2015/eDrive.html

■BMW 225xeアクティブ ツアラー

公式サイト http://www.bmw.co.jp/ja/all-models/2-series/activetourer/2014/edrive.html


世の中の課題に真摯に向き合い、社会的責任を果たしていくそのメーカーの姿勢を充分に感じることのできる発表となった。これからも「BMWらしい走行性能を兼ね備えた、"駆けぬける歓び" を感じられることが前提の省エネルギーなクルマ作り」は進んでいくであろう。"環境の為にユーザーを我慢させない"その言葉の先にある動向は、いちクルマ好きとしても楽しみでならない。


最後に。代表取締役社長 ペーター・クロンシュナーブル氏はこんなことも伝えていたのでご紹介しよう。



まず、東京・お台場にBMWグループ「ブランド体験型販売拠点」を新たに設けるとのことだ。2016年夏にオープンするというこの新施設は広大な敷地を予定しており、試乗やドライバートレーニングのプログラムも実施する。また、BMW、MINI、BMW Motorradの幅広い車種を展示するとのことで、ユーザーには大変興味深い施設が誕生する予定だ。
次に、今春、「MINI コンバーチブル」を発表予定だ。そして「M2」「M4 GTS」といったMモデルの日本導入も予告した他、さらに同年中に「7シリーズのプラグインハイブリッド」や「リモート・パーキング車両」の販売も行なうという。

「BMWらしい走行性能を兼ね備えた、"駆けぬける歓び" を感じられることが前提の省エネルギーなクルマ作り」「環境のためにユーザーに我慢させない」という両輪をどう魅せ続けてくれるのか、ますます目が離せない。

■BMWグループ 公式サイト
http://www.bmwgroup.jp/


■BMW Japan 公式サイト
http://www.bmw.co.jp/ja/index.html