Mercedes-Benz G550
 平面をつなぎ合わせたような、その箱形の体躯からすでに想像できるとおり、G550は最近流行のSUVでもクロスオーバーカーでもなく、純血オフロードモデルと解釈するのが正しい。

Mercedes-Benz G550 Mercedes-Benz G550
 それでいて、都会を闊歩する姿を頻繁に目にする。銀座や虎ノ門辺りの高級ホテルに乗りつけても、それなりに様になってしまうのはメルセデスのプランドパワーなのか、Gシリーズが築き上げてきた伝統なのか。アウトドア派ではまったくない、たとえばデザイナーやスタイリストといったインフルエンサーがユルユル転がしても、それなりに似合ってしまうのがG550のプレミアムなところだ。
 だがもう一度言おう。G550がもっとも輝くステージはオフロードだと思う。

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 親指に力を込めて、ドアハンドルのボタンを押す。平面ドアを開けてから、ステップに足を添えて、よじ登るようにして運転席に潜り込む。エンジンスタートは、最近では珍しいイグニッションキーを捻るタイプだ。

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 搭載されるV型8気筒ツインターボユニットは、二基のターボチャージャーをVバンクの内側に配置するという凝ったメカニズムを持つ。最高出力は421ps/5,250rpm〜5,500rpm、最大トルクは610Nm/2,000rpm〜4,750rpmを絞り出すエンジンは、極めて微振動であり,密度の濃いフィーリングで出迎えてくれたのは意外。そこには荒々しさはなかった。

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 ミッションは電子制御7速ATである。7Gトロニック・プラスと組み合わされる。

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 サイドブレーキは、膝頭あたりに生えた、いわゆるレバーで解施錠するタイプ。コンソールには、センターロックを含めて駆動力をコントロールするスイッチが設けられており、そのあたりでさらにクロスカントリー色が意識されるのである。

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 サスペンションは前後とも、リジッドアクスル方式である。さすがにリーフスプリングではなくコイル式を採用するが、しなやかな接地性能に貢献するマルチリングなどではなく、あくまで耐久性を重視したサスペンションを採用しているあたりにも、このクルマの生き様が想像できるのだ。
 そんなだから、乗り心地はやはり、荒々しい。路面の乱れを忠実に拾う。そのたびに、ドライバーは上下に揺すられる。

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 そもそも、ドライビングポジションがトラック風である。目の前のフロントガラスは平板だし、トラックのように上から見下ろすように下界をのぞく。本質はオフロードにあることは明白なのである。

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 とまあ、つらつらとG550のネガだけを綴ってきたように思われるかもしれないが、実はそれは褒め言葉だ。これで都会をクルーズするのには多少の疲労を伴うのだろうと想像するが、それは硬派なオフ性能を優先しているからであり、だからこそ、Gシリーズが長きに渡って支持されてきたのだ。

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 ともあれ、エンジンは軽快に吹け上がるし、2.6トンもあるボディを強引に加速させる。ハイウェイの流れを十分にリードする実力が確認できた。高速走行では、空力的にもサスペンション的にも、決して得意領域ではないが、動力性能には余裕がある。

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 ミッションの制御も洗練されている。変速タイミングやレスポンスが驚くほど小気味いい。オフロード性能には妥協はないものの、それは旧いというのではまったくなく、最新のテクノロジーによってドライブフィールは進歩させていることを知ったのだ。
 心のどこかでは、道なき道をズカズカと踏破してみたいし、水深のある河原に踏み入れたり、野山を駆け上ったりしたいと思う。そうしても耐えてくれると思わせる力強さがG550の魅力だ。

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 だがその一方で、アーバンクルーズをしてみたくなる気にさせるのもG550の懐の深さである。不思議な魅力をG550は兼ね備えている。
 それがアウトドア派に限らずインフルエンサーを惹き付ける魅力なのだろう。

■メルセデス・ベンツ 公式サイト
http://www.mercedes-benz.co.jp/