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24回目となるYOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOW が2015年12月6日(日)、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にておこなわれ、1万5000人の来場者で賑わった。主催するMOON OF JAPAN(神奈川県横浜市)の発表によれば、Motorcycle Show 650台、Car Show 300台、Vendor Booth 270枠を数え、会場はカスタムファンの熱気に包まれた。


今回の大きなトピックスは、ハーレーダビッドソンがブースを出展してきたことだ。しかもどでかく、「遅すぎた...」なんて言わせないセンセーショナルなデビューを飾ったと言えよう。カスタムショーに相応しくノーマル車両の展示は一切なく、STREET750をベースにしたカスタムばかり総勢17台を一挙にディスプレイしたのだ。

ハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)の担当者は言う。「カスタムは我々のDNAであり、こうしたシーンに我々はずっと存在してきましたし、これからも後押ししていきたいと思っています」と。


メインステージ前に陣取った最大のブースに飾られるのはまず、ASTERISK/アスタリスク(星川英樹氏)、CUSTOM WORKS ZON/カスタムワークスゾン(吉澤雄一氏&植田良和氏)、CHERRY'S COMPANY/チェリーズカンパニー(黒須嘉一郎氏)、DUAS CARAS CYCLES/デュアスカラスサイクルス(藤井龍也氏)、LUCK MOTORCYCLES/ラックモーターサイクルズ(杉原雅之氏)という海外からも注目される日本の有力ビルダーらによるSTREET750 のカスタム。

これには目の肥えたカスタムファンも足を停めずにはいられなかったが、じつはこれ「STREET BUILD OFF」というH-D本社デザインチームによるカスタムコンテストで、そのグランプリがこの日、発表されたのだった。


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<CUSTOM WORKS ZON>
そして見事、優勝マシンとしてピックアップされたのが、吉澤&植田ペア(CUSTOM WORKS ZON)がビルドアップした『ZONNEVLEK』(オランダ語で"太陽の黒点"の意)。「ストリート750には、こんな可能性があるんだっていうのを見てもらいたかったです」と、吉澤さんが言うとおり、ノーマルのイメージを一新。「何度もエンジンを眺め、エンジンの形を見ながら全体像を考えた」という斬新なスタイルは、有機的なラインを強調したボディワークと、美しく仕上げられた細部の作り込みで、見事としか言いようがない。

ディガーを決定づけるコフィンタンクをはじめ、片持ちスイングアームや燃料タンクを兼ねるシートカウル、ハンドクラッチ、2in1ショートマフラーなどで、ZONならではの唯一無二の世界観を演出している。


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<ASTERISK>
ASTERISKのSTREET750は、まるでダートトラックレーサーだ。クロモリのワンオフフレームや「XG」と入ったオリジナルの燃料タンクはウットリするほどの美しさと精悍さ。「カスタムするなら少し変化があったほうが面白い」とブラッシュアップした水冷Vツインはカバー類をペイントし、ヘッドカバーをより強調するため溝を掘って塗装し直されている。


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<CHERRY'S COMPANY>
なんとエンジンは過給器付きで、スリックタイヤが履かされているのも想定外! 手曲げのレッグ部分が異彩を放つオリジナルのガーダーフォークは走りの性能も追求したもので、そのデザインと統一感のあるスイングアームをはじめ、丸みを帯びたシートカウルやオフセットされたリアショックなど、スポーティさの中にチェリーズならではの独特のムードが漂っている。


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<DUAS CARAS>
まるで生き物のような有機的なフォルムは、見る者を魅了する誰にも真似できないものだが、ビューエルから流用した倒立フォークやカンチ式にセットしたオーリンズ・モノショックなど軽快感のある前後足まわりを見ると、走りへの追求もストイックなのがわかる。ハンマーで叩き出した燃料タンクには、ブラックベースに金箔のラインを入れてグラデーションにするなど手の込んだペイントが施された。


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<LUCK MOTORCYCLES>
最新の水冷Vツインも、リジッドフレームに載せてチョッパーに仕上げてしまうのが LUCKらしさ。電装や燃料ポンプをどう納めるかに頭を悩ませたが、ストレッチタンクやへら絞りで製作した4.5インチヘッドライト、ブレーキディスク一体型チェーンスプロケットなどでスッキリとしたフォルムを実現。ワンオフのドラッグバーやインナースロットルで、ハンドルまわりもシンプルな構成だ。



そして、まだある。HDJは正規販売店を参加対象としたカスコン「THE BATTLE of the Kings」を開催し、一次選考を通過した12台もディスプレイ。STREET BUILD OFF同様に、ウイナー1台を発表した。


SNSによる投稿によって選ばれた勝者は、H-D新宿(村山モータース)だった。同社メカニックの神部涼平さんは「発売時に耳にしたスピードラインというキーワード。それをうちの解釈で昇華させたのがこのスタイルです。見た目だけでなく、サーキットを走り込んでオンロードでの性能をリアルにアップさせました」と喜んだ。オーリンズの前後サスなどで足まわりを徹底強化している。



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最終選考に残った販売店は次の通り。ピットインハーレーダビッドソン(埼玉県さいたま市)、ハーレーダビッドソン新宿(東京都渋谷区)、ハーレーダビッドソン東久留米(東京都東久留米市)、ハーレーダビッドソン東大阪(大阪府大阪市)、ハーレーダビッドソンアルファ新潟(新潟県新潟市)、ハーレーダビッドソン石川(石川県金沢市)、ハーレーダビッドソン名古屋(愛知県名古屋市)、寺田モータース(兵庫県尼崎市)、ハーレーダビッドソン徳島(徳島県徳島市)、ハーレーダビッドソンブルーパンサー(愛媛県伊予郡)、マスターズ(福岡県福岡市)、ハーレーダビッドソン沖縄(沖縄県宜野湾市)。


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また、BMW Motorradも各地の展示会場で話題となったK1600GTL ベースのカスタムバイクを展示した。HOT-DOCK CUSTOM-CYCLES 河北啓二氏と、Ken's Factory 永井健次氏の2台だ。


アルミパネルを貼り付け表面をハンドメイドで仕上げた河北氏の『JUGGERNAUT』は、重量感あふれる迫力満点なスタイルの中にどことなくミリタリーの匂いが。「オレは子どもの頃から模型が好きでさ、自分でぜんぶエイジング塗装したんだよ」と同氏が言うとおり、細かいところもサビやキズなどの経年変化が表現され、じつにリアル。まるでタイガー戦車のようだ。「イメージスケッチは一切描かず、突き進んだ。タイヘンだったけど、楽しかったよ」と笑う。


アルミ製燃料タンク、ヘッドライトカバー、シート、ハンドルなどをワンオフにした『KEN'S FACTORY SPECIAL』は、当初ツアラーイメージを増幅させたバガースタイルのカスタムをイメージしたが、「当たり前すぎる」と、別のアプローチに。そこで思いついたのが、並列6気筒エンジンの存在感を最大化できる細く長いディーガーのシルエットだった。フレーム前側をカットして、新たに製作。フロント23、リア20インチとし、外装類は極力シンプルに仕上げた。



このように、かつては一定の距離を置いていたカスタムショーに、ついにモーターサイクルメーカーがエントリーしてきている。その背景には、海外からも日本のカスタムシーンが注目されるといったシーンの盛り上がりがあり、そのファン層とともに今後も歩みたいというメーカーの思惑が感じ取れる。次回以降に期待するのは国産メーカーらの参加で、ヤマハヨーロッパがEICMAで発表したXSR900などは、この会場でも熱視線を浴びるはず。ファン拡大を目指すのなら、こういったシーンを切り離すのはあまりにももったいない。


画像提供:HARLEYDAVIDSON JAPANBMW Motorrad