2015年に報告された5つの奇妙なリコール
ゼネラルモーターズ(GM)のイグニッションスイッチ(始動装置)不具合による重大事故に始まり、タカタのエアバッグに爆発の原因となるインフレーターが搭載されていた件で初めて公聴会が開かれるなど、2014年は"リコールの年"であるように思われた。だが、2015年も自動車業界の安全問題が続々と浮かび上がる一年になってしまった。

タカタのエアバッグ問題はこの12カ月で大きくなる一方だし、夏には研究者がジープ「チェロキー」を遠隔操作してハッキングに対する脆弱性を指摘したことが話題に上り、FCAが対象140万台に修正プログラムを適用する事態となった。これらはどれも深刻な問題だが、一方で不可思議なリコールや規模の小さい修理対応も行われている。2015年に起きた何とも不可解なリコールのトップ5を振り返ってみよう。

キャデラック「ATS」 "使いやすすぎる"サンルーフ

政府が安全基準を設定する目的は、人々の安全を守るためだ。だが実際は、不可解な規則によって、よくわからないリコールが生まれるケースもある。キャデラック「ATS」は昨年、2度もそんな規則に巻き込まれた。2015年2月、同社は2013~2015年型モデルを対象に、サンルーフのコントロールパネルを適切でない場所に設置したとして、リコールを行った。これは、"乗員が意図せずに、ルーフを閉じてしまう可能性がある"と当局が判断したためだ(しかし、この件による負傷事故などは報告されていない)。同社はスイッチトリムプレートを交換するという対応をしたが、7月の2度目のリコールで対象車が全世界に拡大。2016年型もリコール対象となっている。


2015年型ポルシェ「カイエン」 2台を修理対応

ポルシェ「カイエン」は、同ブランドの中でも米国で特に人気の高い車種だ。しかし2015年1月、同社は製造過程に問題があったとして、このSUVを2台だけ修理対応している。「カイエン・ディーゼル」と「カイエンS」に対するアライメント調整と数カ所のネジの締め直しという内容だが、対象が2014年11月26日から27日に製造されたものであったため台数が極端に少なく、リコール問題と呼ぶほどには至らなかった。


2015年型アウディ「Q3」 止まらないサンルーフ

政府の規定が元で修理が行われた奇妙な例もある。3,646台の2015年型アウディ「Q3」が対象となったリコールは、電動サンルーフが閉まる途中でクルマのエンジンを切っても、サンルーフが動き続ける恐れがあるというもの。多くのドライバーはこれを不具合ではなく機能の一つと考えたに違いないが、ソフトウェアのアップデートが必要になった。米国NHTSA(運輸省道路交通安全局)は、サンルーフに身体の一部を挟まれ負傷する恐れがあるとして、一見便利にも思えるこの機能が米国の保安基準に抵触すると主張した。


2015年型ロールス・ロイス「ゴースト」 たった1台の対象車

先に挙げた2台のカイエンのオーナーは、ポルシェが要求されている以上の改修を行ったことで、きっと特別扱いされたような気分を感じただろう。だがロールス・ロイスは、2015年11月にたった1台の2015年型「ゴースト」で安全性の見落としがあったと申告。フロントシートのエアバッグが政府の側面衝突基準を満たしていないとして適切な部品と交換するよう米国内にある1台をリコールした。こちらは現在、手配が進んでいるようだ。


テスラ「モデルS」 製造された約9万台すべてのシートベルトを点検

テスラの電気自動車には業界屈指の最先端テクノロジーがいくつか搭載されているが、2015年11月、テスラはもっと基本的な問題で世界中で販売された全ての「モデルS」をリコールすることになった。同社はヨーロッパにある「モデルS」1台で、前席シートベルトのプリテンショナーとアンカーが適切に取り付けられていないという問題が見つかったと報告。テスラは再発防止のため、全てのモデルSを点検する事前対策に乗り出した。点検内容はシートベルトを強く引っ張り、問題がないか確認するという簡単なものだった。


By Autoblog staff 
翻訳:日本映像翻訳アカデミー